(読了3分)林修さんへのインタビュー記事の中に、「好き」というのは偶然知った情報の積み重ねである、というコメントがあり、改めてその通りだなと思いましたので、感じたことを書いています。
「好き」というのは偶然知った情報の積み重ね
このインタビュー記事は「仕事をするのに好きかどうかは関係ない、重要なのは勝てる土俵なのかどうか」というものです。
サラリーマン社会では、勝てる土俵で勝って(=高い成績を出す)認められることで、好きな土俵で戦う権利(=配置転換される)を得られる、ということもあるなと思います。
また陸上の為末さんの”諦める力-勝てないのは努力が足りないからじゃない”という本(まだ読んでいないんですけど)に通じるものがあるのかな、と思ったのですが、私が印象に残ったのはタイトルにあります
「好き」というのは偶然知った情報の積み重ね
というインタビュー中のコメントでした。
改めて言われると、確かにその通りです。
自分が好きなものやことは、今までの人生の中にあった多くの選択肢から意図的に、または意図せずして選び取ってきたものの中から生まれているものです。
しかしその多くの選択肢も、実際にはその背後にははるかに大きな数の選択肢の可能性が存在していたわけであって、自分があるものやことを好きだ、というのは、まさに偶然の結果なんだとあらためて考えました。
知らないものやことに対しては推測して対応している
何かを好きである、嫌いである、という評価を下すためには、そもそもそれを知らなければどうしようもありません。
しかしもちろんありとあらゆることを知ることは不可能なので、たいていの判断は過去の似た経験により積み重ねた、何となく好きそうだ、何となく嫌いそうだ、というイメージによって行っています。
- 英語が好き→フランス語の勉強も好きかもしれない
- ラーメンが好き→同じ麺類のフォーも好きかもしれない
というような感じです。英語が好き、の前には「コミュニケーションが好き」とかがあるかもしれませんね。
そして新しいことを全て試すこともできないので、
「何となく好きでは無さそうだ、嫌いそうだ」
というものやことに対しては、試さずに、結果として避けてしまうことが多々あります。
このように過去の体験から物事の好き嫌いを推測するというのは効率的・合理的な判断方法ではあるのですが、その場合に大切なことは
- 推測の確度を上げる
- そのためにも、とにかく知っている(経験した)ことを増やす
ということだと思いました。
他の選択肢、新しい可能性があることを常に意識しておく
好きなことを仕事にするべき、というのはよく聞く話ですし、私もその通りだと思います。
しかしその「好きなこと」も、経験していないことや知らないことに対しては好きになりようが無いわけですよね。
そう考えると、その経験していることや知っていることが相対的に少ない大学生に対して、「好きなことを仕事にしよう」と求めている今の就職活動というのは実は難しいことなのかもしれません。
もちろん、何かしらのことをやってみて初めてその後の好き嫌いが判断できるので、まずは第一歩という意味はあるとは思いますが。
また、実際に経験することはできなくても、読書を通して作者の体験を追経験することによって、自分の中の知っている(経験した)ことを増やすこともできますね。そういう点においても読書は有用だと思います。
最後に
年齢を重ねて経験が増えてくればくるほど、また忙しくなればなるほど、試してみることをせずに、過去の経験に基づいて新しいものやことを推測しがちです。
限られた選択肢の中でそれを選び取って生きていますが、その枠外に目を向ければ実は選択肢と可能性は無限にあるということ、また、出来る限り実際に試してみるということを、常に意識していきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今後もいろいろなエントリを書いていきますので、ぜひ読者登録をお願いします。