(読了4分)アマゾンプライムの会員数がアメリカでは6500万人を超えたというCIRPのレポートが出ていましたが(アメリカの人口は3.2億人のため、およそ5人に1人がアマゾンプライム会員であるという衝撃的な数字になっています)、そこから連想して
アマゾンの会員数は世界全体で一体どれくらいいるのだろう?
ということを調べてみました。
アマゾンはあまり多くの数字情報をオープンにしていませんので、公表されている数字という事実に仮定を置き、そこから推定していきます。
2017年4月17日追記:世界のアマゾンプライム会員数を65.4百万人、日本のアマゾンプライム会員数を200万人から300万人とこちらの記事で推定しました(アメリカは49.5百万人)。
アマゾンの全世界売上および伸び率
まず、アマゾンの全世界売上ですが、アマゾンがアメリカ証券取引委員会に公開しているこちらの資料より数字を抜粋し、このようなグラフで表すことができます。
2015年は全世界で1,070億ドルという売上を記録しています。ちなみに2015年の日本売上は82億6400万ドル、およそ1兆円となっていました。
成長率は鈍化しつつあるものの、いまだに昨年対比+20%と、これだけの規模になっても高い成長率を維持しています。
グラフの下部に会員数および会員数伸び率というデータを付けましたが、そちらについて見ていきます。
アマゾンの会員数は2015年に3.06億人~3.17億人の見込み
アマゾンのジェフ・ベゾスCEOが、2014年3月にシアトルで開かれた株主総会にて、
it added 30 million new customers last year to bring its total active user base to 244 million
と発言していたという記事がありました。
※ちなみに、アマゾンのアクティブ会員数の定義は、過去1年間に購入をしたアカウントというものです。
事実
2012年には2.13億人、2013年には2.44億人の会員がいたということになります。この伸び率は+14%です。
仮定
これに、2013年の売上成長率は+22%であり2014年の売上成長率は+20%である、という事実を加味し、「売上の伸び率がほぼ等しいので、2014年の会員数の伸び率も2013年の伸び率+14%とほぼ同数になるはず」という仮定を置きます。
推定
2014年の会員数は、+14%に前後2%の幅を持たせて試算した場合、2.73億人~2.83億人程度と見積もることができます。
2015年の会員数も同様に、2014年の売上成長率は+20%であり2015年の売上成長率も+20%と同数である、という事実より、同じく+14%に前後2%の幅を持たせて試算した場合、3.06億人~3.17億人程度となります。
アマゾンぐらいの規模になれば、売上の伸び率が大きく変わらない場合に、会員数が急激に増えるといったことや、伸びに急激なブレーキがかかるということは考えにくいため、これらの仮定を置いています。
もちろん、例えばプライム会員を積極的にプロモートした、ということなどがあれば会員数が急激に増えるということもあると思いますが、その場合にはそれに引っ張られる形で売上も伸びてくるはずですので。
他の調査結果
ちなみにデータソースは不明ですが、Statistaではアマゾンの会員数を
2014年:2.70億人
2015年:3.04億人
と見積もっており、上記の推定が大きく外れていないことを示す一助になっていると思います。
アマゾンの会員数は2016年に3.5億人程度となる見込み
2016年はどうなるでしょうか。
アマゾンが今年どれくらい成長するかというのは興味深いトピックです。新サービスを次々とローンチし、物流機能を拡充しているアマゾンの成長率がここ2年の+20%という数字を超えるのかどうか。
仮に同様の+20%という数字に2016年も落ち着くと考え、上記同様の仮定を当てはめて試算した場合には、3.43億人~3.68億人という数字になり、3.5億人前後となるのではないかと考えられます。
最後に
推定を重ねた数字ですが、上述のStatistaの数字もありますように、大きく外してはいないと思います。
また、アマゾンのプライム会員人数が本当にアメリカで6500万人いるとすれば、そこからEC化率や全世界のアマゾン売上に対する日本の売上(8%程度)などから、日本のプライム会員数の推定というのもおもしろそうなのでいつかやってみようと思います。
2017年4月17日追記:世界のアマゾンプライム会員数を65.4百万人、日本のアマゾンプライム会員数を200万人から300万人とこちらの記事で推定しました(アメリカは49.5百万人)。
こういう要素も推定の過程に加えたほうがよい、というものがありましたら、ぜひ教えてください。
また、アマゾンがSECに公開しているデータに辿り着く際には、こちらのGarbageNewsさんの記事を参考にさせていただきました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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