黄色いノート

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トランプ大統領の支持率は38%だが、共和党支持者からの支持率は8割超(就任200日弱)

アメリカのトランプ大統領の支持率が落ちているという世論調査の結果がいくつかの媒体から出ており、2017年8月1日現在の支持率はだいたい38%程度となっています。

一方共和党支持者の間では今もなおトランプ大統領の支持率は80%を超えているという驚きの事実もあり、それはすなわち無党派層と民主党支持者の間での支持率が圧倒的に低いことを示しています。

トランプ政権でこれまでに実現された政策・実現されなかった政策と、世論調査のデータソースと共に書いていきます。

トランプ政権でこれまでに実現された政策

トランプ政権が今までにどのような政策を実現させたのか・実現させていないのかを振り返ってみました。日本でメディアに取り上げられているような大きなものが中心ですが、まずはこれまでに実現された政策です。

大統領令でTPP(環太平洋経済連携協定)からの離脱を決定

アメリカファーストの一環としてTPPからの離脱を表明し、1月24日に離脱に関する大統領令に署名しました。アメリカ自身がこういったグローバルな協定からの利益を得ているはずですが、今後は多国間の枠組みではなく二国間交渉を重視するとしています。

一方、アメリカが加入しているNAFTA(北米自由貿易協定、アメリカ・カナダ・メキシコが参加)からの離脱は行っておらず、ダブルスタンダードも伺えます。

イスラム圏6カ国からの入国規制を行う大統領令を発令

「イスラム国家を狙い撃ちにしている」として大きな論争を巻き起こしていたこの入国規制ですが、、最高裁で部分的に認められ、早ければ今年2017年の10月から実施されることになっています。入国規制の対象となるのはイラン、シリア、リビア、イエメン、スーダン、ソマリアの6カ国で、アメリカへの入国を90日間禁止し、難民の受け入れは120日間停止するというものです。

地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」を離脱

パリ協定は2016年11月4日,2020年以降の温室効果ガス排出削減等のための新たな国際枠組みとして発効しました。外務省のこのページに詳しいですが、このページはアメリカが離脱を表明した6月1日以前に作成されたもので、今後どのように更新されるのか(されないのか)気になります。

キーストーンXLパイプラインの建設を認可

オバマ前大統領が環境問題に配慮して却下していた、カナダからアメリカに石油を運ぶパイプラインの建設を1月24日に認可しました。

国内に工場を増やす(留める)ように各企業を説得

つい先日、アップルがアメリカ国内に3工場を作ると約束したというニュースもありましたが、トランプ氏が各企業に要請を行っており、一定の成果を挙げているようです。

 

ここまでを振り返ってみると、選挙公約であったアメリカファーストを実行していますが、それは一方で世界の中でのアメリカのプレゼンスを後退させるような内向きなものであることも分かります。

共和党は支持基盤からして温暖化対策など環境問題には積極的とは言えないですが、パリ協定の離脱やキーストーンXLパイプラインの建設認可などはそれが顕著に現れた例だと言えます。

トランプ政権でこれまでに実現されていない政策

次に、実現を目指しているけれどまだ実現できていない政策を見ていきます。

オバマケアの廃案

トランプ政権の大きな政策の目玉であるオバマケアの廃案ですが、当初案は共和党内の反対に遭い撤回され、その後修正した代替法案(「ヘルスケア・フリーダム・アクト」、オバマケアの廃止の範囲を縮小したもので、別名「スキニー」法案)を提出していましたが、7月28日に上院議会で否決されました。

メキシコとの間に壁を築く

こちらも大きな物議を醸しましたが、大統領令で建設を命じたもののその財源が不明であり、建築コストをメキシコに払わせるとしていたが当然メキシコは反発しています。トランプ大統領は「ソーラーパネルを設置する」という私案を提案しています。

税制改革・歳出削減案

法人税を現在の35%から15%にするとしていましたが、この数字にすることができるのか、また法人税を大幅に減税した場合の代わりの財源をどこに求めるかということも不明なままです。個人の税率区分を現在の7区分から3区分(10%、15%、35%)に減らすという案も、同じくどうなるか分かりません。

国境税の制定

米国内の輸出企業の法人税を軽くする一方、海外企業からの輸入に対し税負担を重くするという国境税は、税制改革案に盛り込まれないことになりました。

中国を為替相場操作国に指定

選挙中は中国を一方的に悪者扱いしており、就任初日に為替操作国に認定すると言っていたものの指定はしていません。

共和党支持者と民主党支持者の深い断絶

トランプ政権とロシアとの間に関係があったのではないかというロシアゲート疑惑、主要メディアとの激しい対立、政権内での相次ぐ人事変更など、トランプ大統領の政権運営は厳しい状態です。

共和党は上下院で過半数を占めていますが、それにしても上述のように実現できていない重要政策が数多くあります。

その結果全体で見るとトランプ大統領の支持率は38%程度となっているわけですが、とても興味深いのが共和党支持者だけに限れば「80%以上は今もなおトランプ大統領を支持している」という事実です。

米調査会社のギャラップ社の調査によると、直近の2009年7月24日から30日の間のトランプ大統領の支持率は前述のように38%となっていますが、

  • 共和党支持者の支持率は82%
  • 無党派層の支持率は32%
  • 民主党支持者の支持率はわずか7%

となっています。

共和党支持者と民主党支持者の間には大きな違いがあることが分かりますが、これは前オバマ大統領でも似たような様相でした。しかしここまでの差があったわけではありません。

同じくギャラップ社の調査によると、オバマ大統領の支持率はオバマ政権1期目が始まってから同じような日数が経過した2009年7月27日から8月2日の間で54%となっていましたが、

  • 民主党支持者の支持率は87%
  • 無党派層の支持率は47%
  • 共和党支持者の支持率は20%

となっています。

このように、共和党支持者と民主党支持者の間の意見の相違は何もトランプ政権から始まったことではありませんが、トランプ政権発足後の現在、双方の断絶がより深まったと言うことができます。

データソースとしてはもう一つ、ネイト・シルバーという統計学者が運営しているファイブサーティエイト(FiveThirtyEight)という政治ブログには8月1日現在、以下のようなグラフが掲載されており、こちらでは共和党支持者・民主党支持者それぞれの内訳はないものの、全体の38%という支持率を裏付ける結果となっています(ギャラップ社およびそれ以外のソースも加味している調査結果です)。

トランプ大統領の支持率は2017年8月1日現在で38%

米有権者の政党支持率の内訳

米有権者がどの政党を支持しているか(もしくは無党派か)という調査も、同じくギャラップ社が公表していますが、こちらの記事を引用すると

有権者のトランプ離れだけでなく、共和党離れも既に始まっている。ギャラップ調査では、トランプ政権が誕生した2017年1月には共和党支持は28%、民主党支持が25%、無党派が44%だったが、6月になると共和党支持は2ポイント減の26%、無党派も同様に42%に減ったが、民主党支持は5ポイント上昇して30%となっている。

出典:東洋経済

 ということで、トランプ大統領就任後の2017年1月から6月の間に共和党支持者と民主党支持者の数が逆転したということが分かります。

トランプ大統領は支持層に強くアピールできている

ロシアゲート疑惑や重要な法案を通せていないことなどから、トランプ大統領の支持率は党派問わず全体的に下がっているのかと思いきや、共和党支持者からは未だに8割を超える高い支持率を得ているということがとても意外でした。

自分に不都合なニュースをフェイクニュースと決めつけ、SNSを使ってメディアや個人を攻撃するという、今までのアメリカ大統領とはかけ離れたイメージがあるトランプ大統領ですが、共和党支持者に対しては強くアピールすることに成功しています。

アメリカでは赤い州・青い州と呼ばれるように、州ごとに共和党支持か、民主党支持かというのが割とはっきり分かれています(もちろん共和党候補が勝つか民主党候補が勝つか分からない、スイングステートと呼ばれる州もあります)。

共和党支持か民主党支持かがくっきり分かれる州が多い


出典:トランプ政権100日 保守地域の変わらぬ支持

内陸に集中している「赤い州」と沿海部の「青い州」はその特性が違うということは散々言われ尽くしていますが、それにしてもこれら「赤い州」に多く住んでいるであろう共和党支持者は、トランプ大統領のアメリカファースト・内向きな施策(そしておそらくは型破りなトランプ大統領のスタイル)を支持しているということで、「青い州」との間に大きな断絶があるということをより一層感じた調査結果でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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