黄色いノート

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メルカリで稼ぐ高校生が増えるほど、中古品リユース市場が広がり新品市場が小さくなる

2017年5月31日の日経MJの一面に、「いまどき高校生スマホで稼ぐ」という記事があり、副題にはやはりと言うべきか「メルカリで売買」という文字がありました。

スマホアプリなどでお金を稼いだことがある高校生(全国の高校生1000人へのアンケート)は55.4%(平均収入は月732円)、そのうち利用しているサービスとして1位がポイント獲得サイト、2位がフリマアプリなどによる中古品売買となっています。

高校生がメルカリやフリル、ラクマを使って中古品売買を経験すればするほど中古品リユース市場は広がっていきますし、彼らが大学生・社会人になって収入を持った時の購買行動も大きく変わり、新品市場に影響が出てくるはずです。

ミレニアル世代の消費行動で特徴とされるのは

  • 商品の保有より共有
  • 商品単体ではなくその背後にあるストーリー(を提供する企業)に対して忠実であること
  • 見栄え消費(インスタ消費)、繋がり消費

などの要素ですが、ミレニアル世代よりもさらに下の現在の高校生が「中古品売買」という経験を若いうちに経験することによって、スマホ経済圏のさらなる広がりと共に購買・消費行動が変化していくに違いありません。

ポイント獲得サイトは時間の切り売り

高校生が利用しているお小遣い稼ぎのサービスとして1位に上がっていたのが「ポイント獲得サイト」の利用です。

ポイント獲得サイトは山のようにあり、今Googleで「ポイント獲得サイト」と検索したところ3,780万件!の検索結果とともに、モッピーやげん玉やモバトクといったサイトが出てきました。

ポイントサイトがポイントをユーザーに還元する原資となっているのは、そのポイントサイトに対して広告を出稿している企業のお金になるので、形態としては

B(広告主) - B(ポイントサイト運営者) - C(ユーザー)

という形になります。

ユーザーはポイントサイトに接続する端末のPCやスマホを用意するだけでよく、基本的には何かの作業をすることでポイントを獲得するという、時間を切り売りするスタイルです。

  1. 消費者の声を聞きたい広告主が設定したアンケートに答える
  2. 広告を見てもらいたい広告主の広告メールをクリックする
  3. アプリのダウンロード数を増やしたい広告主のアプリをダウンロードする

などです。

適当に回答されてしまいそうな1や、機械的にクリックされるだけであろう2に、どれくらいの価値があるのかは分かりませんが、ポイントサイトに出稿している企業がいるということは価値があるとそれらの企業は考えているんでしょうね。

3については、「ダウンロード数○○を突破!」のようにキャッチコピーとして使うことができますし、アプリの人気度ランキングの上位に入れるなどから、もう少しは価値がありそうです。

ちなみにこの記事によると、モッピーは月間60万人の利用者数のうち20%の12万人が10代で、月に6-7万人の新規ユーザーがいるとしています。

報酬付きアンケートの配信サービスのテスティーは50万人を超える会員のうち30%の15万人が10代ということです。

お小遣い稼ぎに複数のサービスを併用している、もしくはどこかに登録してすぐに次に移る、という行動をしているユーザーは相当多いはずで、モッピーの月間60万人とテスティーの50万人には重複が多いと考えられますが、それにしても大きな規模ですね。

フリマアプリによる中古品売買は時間の切り売りではなくレバレッジが効く

フリマアプリによる中古品売買はレバレッジが効く

フリマアプリは、その場を提供している企業を通してユーザー同士が直接繋がるので、形態としては

C(ユーザー) - B(フリマアプリ提供企業) - C(ユーザー)

という形になります。

フリマアプリ提供企業は、その場の利用料として出品者から落札金額の何パーセントかを取って自社の売上にするという仕組みが一般的です。

記事にもありましたが、フリマアプリは身の回りのもの全てを「換金可能な資産」に変えるツールといえます。

そうなると、身の回りのものを見る目も変わってきますし、自分が何かを買う時にも「これは自分が使った後に売れるかな」というような今までに無かった視点が入ってきますね。

従来はリアルの場で開かれているフリマに出店したり中古品買取サービス(ブックオフなど)に持ち込むことなどが必要で、それが面倒で捨てられてしまっていたものも多々ありました。

ところが誰もが持つスマホで簡単に出品ができるフリマアプリの登場により、自宅にいながらにして出品できるため、出品へのハードルが大幅に下がっています。

なおかつ参加者が多いことにより落札の可能性(および高く落札される可能性)も高まっているので、より多くの商品を出品しようという動機にもつながっており、それがメルカリ・ラクマ・フリルといった大手フリマアプリが利用者数や流通額を急速に伸ばしている要因となっています。

大手だけでなく、ジャンルに特化したフリマアプリも出てきていますし、この秋にはコメ兵がブランド品に特化したフリマアプリをリリースする予定です。

www.yellowpadblog.com

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例えば値段が刻々と変わるトレーディングカードの出品をしている高校生は、どのカードをいつのタイミングでどれくらいの値段で出品するべきかという、需要と供給と希少性を考えて行動をしているので、本当に「商売」をしています。

ポイントサイトが時間の切り売りであるのに比べ、フリマアプリの利用は短時間の出品作業(もちろん商品選定の事前準備や写真撮影、説明文の作成など、きちんと行おうと思えば手間はかかりますが)で、そこにかかった時間に左右されない大きな金額を手にできる(すなわちレバレッジが効く)可能性があり、落札されないかもしれないというデメリットはあるものの魅力的な方法です。

またもう一つのメリットは、時間の拘束が無いという点で、これを次に見ていきます。

シフトを事前に組むバイトに比べ、フリマアプリは時間の拘束が無い

高校生のお小遣い稼ぎといったら、今も昔もバイトなのかなと思っていたら大間違いで、国立青少年教育振興機構によると、

高校2年生でアルバイト経験がある人は2006年度は42.7%、2014年度は28%まで減少

ということで(この記事にある高校生1000人へのアンケートでも現在バイトをしているのは16.8%となっています)2017年度はさらに下がっていることでしょう。

小売や外食産業で人手不足が進んでいますが、高校生バイトの人数が少なくなっていることもその一因であるはずです。

その高校生がバイトをしなくなっている理由として、ここでは

  1. バイトはシフトを事前に決めなくてはいけず面倒
  2. バイト以外で稼げる方法がある

という2点を考えてみます。

1点目は確かにその通りで、フリマアプリは好きな時間に出品作業を行うことができ、その後はその商品が落札されるまで作業は発生しません。

確実に落札されるか=確実に収入を生むかが分からないというデメリットはあるものの、時間拘束という観点からは非常に優れています。

一方2点目は、「スマホアプリなどでお金やポイントを稼いだことがある」とした高校生の平均収入は月732円ということで、バイトの1時間程度分の収入にしかなっていません。

ポイントサイトや中古品売買の規模は彼らの収入としては小さなものであるため、収入から考えた場合にはバイトをしなくなっている理由は別なところにありそうです。

中古品売買の経験が将来の新品市場に影響を与える

最後に

中古品リユース市場の市場規模は、2014年に1兆5966億円であり、2020年には1兆7631億円と、今後も順調に拡大していく見通しであるというリサイクル通信のプレスリリースがあります。

市場拡大の背景には、手軽に出品・落札できるフリマアプリの存在に加え、消費者の「中古品を売買するのは賢い選択である」という意識の変化も大きくあります。

上記にあるように、若いうちから中古品の売買を体験した現在の高校生が社会人になっていくとき、現在の新品市場は既に大きく形を変えているはずですが、その変化をさらに推し進めていくことになりそうです。

シェアリングエコノミーの拡大ももちろん、新品市場に影響を与える要因です。

矢野総研の推計によると2014年時点の日本国内のシェアリングエコノミーの規模は233億円ということですが、今後大きく伸びることが予想されています。

中古品の売買にしろ、シェアリングエコノミーにしろ、これらの市場の拡大は

製品は新品を買うべき(買ってほしい)

という企業の願いとは離れていくことになります。

購買も消費も、技術の発展によりどんどん新しいスタイルになっていくので、それに乗り遅れないよう消費者の行動と、技術の進展をしっかりと見ていかなければと思います。

メルカリやラクマ、フリルの3大フリマアプリについては、ダウンロード数やサービス規模の比較をこちらのエントリで行っていますので、よろしければお読みください。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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