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黄色いノート

ネット通販/EC、新技術、仕事など、いろいろ書いています

楽天のメルマガ登録から分かる、アマゾンとの「顧客」の捉え方の違い

アマゾンプライム会員になってからはもっぱらアマゾンを使っていたのですが、母の日のプレゼントにまだ間に合うかなと思って楽天を見てみました。

アマゾンに慣れると、お店ごとに個性があるとする楽天はなかなか見慣れないですが、逆に言うと確かにお店ごとにページの特徴があって、それはそれでよいんだろうなと思います。ちょっと見づらさはありますが。

しかし、全くよいと思わないのがメルマガです。

相変わらず注文確認画面の下部にて、メルマガをオプトアウト式(購読したくなければチェックを外す仕組み)で送りつけようとしています。

ユーザーからは「登録していないのに勝手に登録された」「勝手にメールが来るようになった」「配信停止したい」とすこぶる不評であるにも関わらず、なぜ楽天は現在に至るまでこの仕組みを続けているのか考えました。

※楽天は楽天市場という名称の廃止を検討しているようで、このエントリでも市場という言葉は使っていません。

楽天のメルマガ登録の仕組み(オプトアウト)のおさらい

楽天でお買い物をする時に、注文確認画面の下部に「メールマガジンを購読する」というチェックボックスがあります。

これは他のネット通販事業者と何ら変わりが無いですが、大きく違うのが

  • オプトインではなく、オプトアウトであること
  • 一度に大量のメルマガを送りつけようとしていること

です。下記のキャプチャを見ていただければ一目瞭然です。

注文確認画面のファーストビューです。ここで右側の「注文を確定する」をクリックすると、メルマガが届くことになるので注意が必要です。楽天の注文確認画面(ファーストビュー)

注文確認画面を下っていったところです。楽天の注文確認画面(セカンドビュー)

私は母の日に花束を買おうとしたのですが(結局買いませんでした)、花束を1つ買うだけで、7種類ものメルマガが届くことになります。信じられないです。

しかもメルマガを読みたくない場合には、消費者が能動的にチェックを外さなければなりません。

普通のネット通販サイトであれば、消費者が読みたいメールマガジンに対してチェックする=何もしなければ何も送られてこないという、オプトイン方式です。

ところが楽天は、「読みたくなければ自分でチェックを外して」という、オプトアウト方式です。

オプトは「選択する」という意味なので、

  • 企業がメルマガを配信しない前提で、「メルマガを配信する(イン)」と消費者が選択するのがオプトイン
  • 企業がメルマガを配信する前提で「メルマガを配信しない(アウト)」と消費者が選択するのがオプトアウト

ということになります。

楽天が採用しているオプトアウト方式は、楽天中心の設計であることが分かりますが、ではなぜ楽天はこうしているのかということです。

※ちなみに楽天のメルマガの配信停止手続きはこちらからできます。

メルマガに出店店舗を掲載することによる広告収入

一番大きな理由はこれでしょう。楽天のメルマガには数多くの店舗が載っていますが、それらは全て広告のはずです。

楽天が出店店舗に広告営業をかける際に、単純に配信数が多い方がより多くの広告金額を取れると考えているため、とにかく多くのメルマガ購読者を作ろうとしているのだと思います。

メルマガ内の掲載位置やクリック率すら加味せずに単純に考えると、実は

  • 配信数1万件 x 開封率20% = 2,000人の目に止まる
  • 配信数5万件 x 開封率4% = 2,000人の目に止まる

この二つのメルマガは消費者に届けるという点において同じ価値を持つはずですが、広告営業の際にはあまりうるさいことを言わずに「配信数が○件」という方が効果が高いのでしょうし、出店店舗も、多くの消費者に広告を届けられたという満足感があるのでしょう。

ただ、これらは楽天側と出店店舗側の視点であり、顧客満足という観点からはどうなの、という話です。

楽天の「顧客」は2種類いる。「消費者」と「出店店舗」

楽天はマーケットプレイス型のビジネスモデル(自社では在庫を持たない)なので、楽天から見た場合に実は顧客は2種類います。

  • 楽天で買い物をする消費者
  • 楽天に出店して販売する出店店舗

です。

楽天には5か条の成功のコンセプトというものがあり、その中に顧客満足の最大化という言葉が謳われています。

  • 常に改善、常に前進
  • Professionalismの徹底
  • 仮説→実行→検証→仕組化
  • 顧客満足の最大化
  • スピード!!スピード!!スピード!!

消費者が望んでいないメルマガを(消費者から見ると勝手に)送りつけるのは、顧客満足を最大化していないと思いましたが、楽天からすると一方の顧客である出店者の満足を最大化しているので、よいという判断なのでしょう。

消費者としては、消費者中心に考えて欲しいところです。。

アマゾンにも、似たような4本の成功の柱 (The Four Pillars of Amazon Success)という考えがあります。

  • Customer Centricity
  • Continuous Optimization
  • A Culture of Innovation
  • Corporate Agility

日本語に訳すと、

  • 顧客中心主義
  • 継続的な最適化
  • イノベーション文化
  • 変化への機敏な対応

というところでしょうか。

ここにも楽天の「顧客満足の最大化」に似ている「顧客中心主義」という言葉が出てきます。

アマゾンも直販とマーケットプレイスを融合させたモデルで、楽天と同様に自社のマーケットプレイスに出店している店舗がいますが、アマゾンの言葉(というより、その行動)はより消費者を向いているように感じます。

とはいえ、アマゾンでも最近「マーケットプレイス詐欺問題」が発生していますので、マーケットプレイスを早く安全な場所にしてほしいですが。

メルマガが嫌だから楽天を使わない消費者の姿は計測できない

ユーザーの意に反することもある形で(だからこそ「スパムのようだ」「勝手に登録された」という苦情が発生するわけですが)、楽天はメルマガをオプトアウト方式で増やそうとしていますが、広告以外のもう一つの理由として、

メルマガが嫌だから楽天を使わない消費者の姿は計測できない

ということもあると思います。

楽天からすると、

  • メルマガ配信数の伸び
  • そこへ店舗が出稿することによる広告収入
  • そのメルマガからの売上など

これらは全て数値として計測可能です。

しかし、メルマガが来るのが嫌だから楽天を使わない、使わなくなったという消費者の姿は計測することができません。

ネット上の評判や口コミでは出てきますが、楽天でお買い物をしなかった消費者やそもそも楽天に来ない消費者に、「なぜ買わなかったのか」の理由を正確に聞くことはできず、定量的なデータにできないからです。

そうなるとKPI管理的にも、どうしてもメルマガ登録者数を増やそうという方向になってしまうのかもしれません。

最後に

私が今回楽天で買わなかったのはメルマガが理由ではないのですが、それでも久しぶりに見た楽天で、いまだに大量のメルマガを送りつけようとしていることが、何というかとても残念でした。花束を1つ買ったら7種類のメルマガですよ。

楽天で最初に買い物をしたのは10年以上前だったと思いますが、その時にも
「メルマガ登録をいちいち外さなければいけないのは手間だな」
と思いましたし、
「こんなにたくさんの種類を送りつけようとしているのか」
とも思いました。

それから10年以上たって未だにそのまま、というかむしろ当時よりも種類が増えている=悪化しているのでは?と思うぐらいのメルマガ登録の仕組みだったからです。

広告収入や消費者への露出という、楽天と出店店舗それぞれの事情があるのも分かりますが、楽天が掲げる「顧客満足の最大化」の対象者に消費者も加えてもらって、いい加減このメルマガのオプトアウト方式を見直して欲しいですね。

今回楽天との対比で見たアマゾンですが、ご存知のようにどんどん規模を拡大しています。そのアマゾン会員数やアマゾンプライム会員数の推定を行ったエントリも書いていますので、こちらもよろしければお読みください。

www.yellowpadblog.com

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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