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黄色いノート

ネット通販/EC、新技術、仕事など、いろいろ書いています

コンビニオーナー(経営者)として独立開業する前に、フランチャイズ契約の吟味。

私の結論から書くと、「土地と建物を自分で用意できないのであれば、コンビニのフランチャイズ契約は結ぶべきではない」となります。

コンビニオーナーになる最も手早い方法は、セブンイレブンやローソンなどとフランチャイズ契約を結び、フランチャイジー(加盟者・加盟店)になることです。

一方セブンイレブンやローソンの商標や商品・物流システムなどを利用するために、ロイヤリティをフランチャイザー(本部)に支払う必要があります。

それはその通りなのですが、「コンビニが電子タグを導入し、レジ作業と物流を効率化する」というエントリを書いた際にコンビニについて検索しているうちに、「セブン-イレブンが加盟店のロイヤリティを引き下げ」という記事を読みました。

コンビニのロイヤリティが高そうだということは思っていましたが、記事を読んでいくと「粗利の43%をセブンに支払うことになる」「粗利の70%以上を支払う契約も」という衝撃的な内容でした。

そんなに高いの!?というのが正直な感想です。

粗利の40%~70%が手元から無くなる(フランチャイザーである本部にロイヤリティとして支払う)というのはオーナーにとってものすごいことですので、調べていったことをまとめました。

参考記事:セブン-イレブンが加盟店のロイヤリティ引き下げ コンビニのビジネスモデル変える?

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ロイヤリティとはそもそも何か

ロイヤリティ(ロイヤルティやフィー、また(揶揄する意味を込めて)上納金と呼ばれたりしています)とは、加盟店(フランチャイジー)が、本部(フランチャイザー)が用意する商標や商品や物流の仕組み、経営やトレーニングのノウハウやマニュアルを利用する権利に対して支払う対価となります。

フランチャイズ制度の基本を支える仕組みです。

ロイヤリティの算出方法はいくつかありますが、コンビニ大手が採用している最も一般的な方式は「加盟店の売上総利益(粗利益)に一定の率をかける」というものです。

その率が驚くほど高かったというのがこのエントリを書くきっかけとなりました。

ロイヤリティを引き下げた業界最大手のセブンイレブンは全国に約19,000店舗ありますが、その中で直営方式(セブンイレブンの社員がオーナーとなって運営)となっているのは全体の数パーセント、500店舗ぐらいしかありません。

残りの大多数の店舗には、それぞれに独立したオーナーがいて、セブンイレブンとフランチャイズ契約を結んでロイヤリティを支払っています。

ロイヤリティは何に使われているのか

フランチャイジーである加盟店がフランチャイザーである本部に支払うロイヤリティですが、このロイヤリティは思いつくだけでも以下の内容に使われています。

  • 新商品の開発
  • 新商品やブランド自体の宣伝
  • 新サービスの導入(公共料金支払いの仕組み、など)
  • POSに代表されるシステムの構築
  • 商品が補充される物流
  • マニュアルやトレーニングの整備
  • スーパーバイザー(本部の指導員)による指導

などなど。。

個人がいきなりお店を開くのに比べ、これらの既に確立された仕組みを使うことができるという、圧倒的に有利な条件が揃っています。

品揃えや価格などを考えても、個人商店(個人商店自体がコンビニに鞍替えをしていて、少なくなりましたが)とセブンイレブンが並びあっている場合には、セブンイレブンに足を運ぶ消費者が多いはずです。

なぜ足を運んでくれるか=集客できるのかといえば、それは加盟店が支払うロイヤリティを元に、セブンイレブン本体が消費者に訴えかける新商品を開発し、商品やセブンイレブン自体を宣伝しているからに他なりません。

そう考えると、料率はともかくロイヤリティという仕組み自体は納得ができるものです。

セブンイレブンのフランチャイズ契約タイプ

セブンイレブンジャパンのページより、契約タイプは大きく

  • Cタイプ:土地・建物はセブンイレブンが用意
  • Aタイプ:土地・建物はオーナーが用意

と2つに分かれています。

ロイヤリティは「セブンイレブンチャージ」という名称となっていて、Cタイプは変動するためか記載がないのですが、Aタイプで「売上総利益(粗利)の43%」という記載があります。

普通に考えて、Cタイプの方がAタイプよりも条件がよいことはありえないので、冒頭の記事にある「粗利の70%以上を支払う契約も」という話も現実味があります。

※売上総利益(粗利)は、売上高から売上原価を差し引いた利益のことです。こちらのサイトの図が分かりやすいので貼らせていただきます。

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出典:収益性分析の指標

セブンイレブンオーナーになった場合の収支予測

セブンイレブンが公表している数字より、セブンイレブンの一日の売上平均(平均日販)は、65万円となっています。

ローソンやファミリーマートの50万円程度という平均日販よりもだいぶ大きくなっており、セブンイレブンでオーナーとなることの魅力の1つとなっています。

ただ、この65万円という数字は新規店と既存店を分けていないので、新規店はもう少し低いはずです。50万円として計算します。

■月の売上
50万円 x 30日 = 1500万円

■原価率
70%と設定

■粗利益(=売上総利益)
1500万円 x (100% - 70%)= 450万円

■ロイヤリティ

  • Cタイプ(70%)の場合:450万円 x 70% = 315万円
  • Aタイプ(43%)の場合:450万円 x 43% = 194万円

■オーナーの手元に残るはずのお金

  • Cタイプ(70%)の場合:450万円 - 315万円 = 135万円
  • Aタイプ(43%)の場合:450万円 - 194万円 = 256万円

という計算になりました。

あれ、意外にCタイプでもAタイプでもオーナーの手元にお金が残るな、と思ったらこちらは大間違いで、実はここから、家賃・光熱費・人件費・廃棄費・雑費を差し引いたものが、本当にオーナーの手元に残るお金なのです。

■人件費(時給800円 x 24時間 x 2人 x 30日)
115万円

■家賃(日販50万円をできるぐらいの優良な場所)
20万円

■光熱費(総額20万円として、本部が8割を負担するので実質4万円)
4万円

■廃棄費・雑費
5万円

■合計
144万円

ここでは人件費をかなり適当に計算しましたが、実際には1時間あたり2人もシフトに入ることはできなく(人件費が高い深夜など)、オーナーが代わりに店頭に立たざるを得ません。

しかしなんとそれでも、Cタイプの場合の想定では、

■オーナーの手元に残るお金
135万円 - 144万円 = -9万円

マイナスになってしまいます。。。

人件費の想定や、家賃・光熱費などの想定がおかしいのかもしれませんが、いずれにせよ家賃の20万円の有無が計算に大きな影響を及ぼしています。また、実際にはマイナスにならないよう、最低保証という仕組みがあります。

仮に自分で土地・建物を用意するAタイプであれば、家賃負担がないため、

256万円 - 124万円(20万円の家賃が無いため) = 132万円

と、今度は大きな金額が手元に残ることになります。

AタイプはAタイプで大きな金額が残りすぎのように思うため、実際には上記の想定よりも家賃・光熱費・人件費・雑費の負担は大きいのだろうと考えます。

そうすると、「Cタイプは人件費を抑制するために、オーナーが出来る限り店頭に出なければならない」という仕組みになります。

結論

私は番組を見ていないのですが、去年2016年11月に(「好調」コンビニに“異変”あり)という番組が放送されていたようです。

その放送を受けて、コンビニオーナーの過酷な労働と年収200万円台を訴えた記事がありましたが、実際に自分で計算をしてみて、さもありなんと思いました。

このエントリではセブンイレブンの事例ですが、とにかくポイントとなるのは「土地と建物」だということが分かりました。これを自分で用意できるか、用意できないかでまったく違う世界になります。

またフランチャイザーである加盟店は、そのお店への独自の集客方法を基本的に持たなく、フランチャイザーである本部任せであるというのも懸念点です。

さらに、業績のよい加盟店のすぐ近くに同様の加盟店や直営店を出店させる、という厳しい話も見聞きします。

コンビニオーナーとなって独立開業する際には、フランチャイズ契約をとにかく吟味して考えることが必要ですし、私は試算結果からも「土地と建物を自分で用意できないのであれば、コンビニのフランチャイズ契約は結ぶべきではない」と考えます。

冒頭でも触れた、大手コンビニがRFID(ICタグ)を全店全商品に導入するというエントリはこちらになります。よろしければ合わせてお読みください。

www.yellowpadblog.com

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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