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黄色いノート

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日本のアマゾンプライム会員数は200万人から300万人の見込み(2016年)

アマゾンはプライム会員数を公表していませんが、アマゾンの年次報告書やコメント、また各サイトでの調査などを元に、2016年時点の日本のアマゾンプライム会員数を推定しました。推定の結果、

日本のアマゾンプライム会員数は200万人から300万人の見込み(2016年)

と言うことができます。

まずは2016年の世界中のアマゾンプライム会員数について推定し(6540万人)、そこから日本のアマゾンプライム会員数の推定(200万人から300万人)に移っていきます。論拠と共に示していきます。

世界中のアマゾンプライム会員数(2016年)の推定

いろいろなレポートが推定を行っています。

CIRPは「アメリカのアマゾンプライム会員数は6500万人を越えた(2016年10月末)」というレポート(リンク切れ)を、NetFocusMediaは「世界のアマゾンプライム会員数は60-70百万人」というレポートを出しています。

ここではアマゾンの年次報告書から事実を拾い、またいくつか仮定を置いて、ファクトチェックも合わせて行いながら推定していきます。

事実:年次報告書に記載されている内容

アマゾンは2016年の年次報告書から初めて"Retail subscription services"という項目を公表しており、2016年はここからの売上が64億ドルであったことが分かります。

サブスクリプションサービスの売上は、アマゾンプライムやオーディオブック、デジタルビデオやデジタルミュージック、その他のサービスの会員費の合計を示していることより、ここからアマゾンプライム会員数を推定する手がかりが得られます。

推定:年次報告書の数字より、2つの仮定を置く

サブスクリプションサービスのうち、90%がアマゾンプライムの会員費によるものであったと仮定します。そうすると、会員費による合計売上を

64億ドル * 90% = 57.6億ドル

と見積もることができます。

次に、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、日本など各国の会員費の平均値を求めます。

日本は会員費が年会費3,900円と安価である一方、アメリカでは年会費99ドル(10,800円程度)と高額であることや、(これから求めようとしている)各国の会員人数で重み付けをしなければならないのでこれも仮定になるのですが、こちらを引用して各国のプライム会員費の平均値を88ドルとします。

すると、世界のアマゾンプライム会員数の合計は、

57.6億ドル / 88ドル = 65.4百万人

と求めることができます。

ファクトチェック:アマゾンのコメントとの合致

同様の計算式で2015年と2016年の会員数を調べてみると2014年が31百万人、2015年が46百万人(そして2016年が65.4百万人)となり、

  • アマゾンが「2015年、世界中でのプライム会員数の成長率は51%」と述べた事実
  • アマゾンが「2016年、世界中でのプライム会員数の増加数は数千万人」と述べた事実

という2つの事実と合致します。

これらは、上記を含むアマゾンによるコメント及びプライム会員数の推定値とも一致しています。

f:id:yellowpad:20170414120043j:plain出典:The Motley Fool

サブスクリプションサービスのうち、90%がアマゾンプライムの会員費によるものというのは割と簡単に仮定を置けるところですが、会員費の平均値を80ドルにするか90ドル~100ドルにするかは難しいところです。

この2つの事実に合致する88ドルという数字はかなりいい線を突いている(事実に合致するように逆算した数字かもしれません)と言えます。

日本のアマゾンプライム会員数(2016年)の推定

世界の会員数を65.4百万人と推定したところで、今度は日本の会員数について考えていきます。

事実:年次報告書に記載されている内容

アマゾンの2016年の主要国別の売上(アメリカ、ドイツ、イギリス、日本、その他の国)は年次報告書にて示されており、各国のシェアを計算すると下表のようになります。

f:id:yellowpad:20170414120144j:plain

推定ケース1:65.4百万人を売上シェアで按分

単純に、世界の会員数65.4百万人を売上シェアで各国に按分すると、下表のようになります。

f:id:yellowpad:20170414120205j:plain

しかしこの数字は大きすぎるというのが率直な感想であり、またアマゾンのマーケットシェアがアメリカでは4割を超える規模であることを考えても、アメリカの会員数はもっと多くてよいはずと考えました。

そこで次のケースを考えます。

推定ケース2:65.4百万人からアメリカの数字を引き、売上シェアで按分

Cowen Groupは「アメリカのアマゾンプライム会員数は49.5百万人(2016年11月末)」というレポートを出しています。

CIRPのレポートの65百万人という数字よりもコンサバなものとなっていますが、ここではこちらを使い、「世界のアマゾンプライム会員数65.4百万人からアメリカのアマゾンプライム会員数49.5百万人を引き、残りの人数を各国の売上シェアで按分する」としてみます。

そうすると下表のようになり、日本のアマゾンプライム会員数は366万人となりました。

f:id:yellowpad:20170414120313j:plain

ファクトチェック:イギリスのプライム会員数および各国人口比

ここでできるファクトチェックとして、イギリスの会員数を使うことができます。

上図のように、イギリスのアマゾンプライム会員数は324万人となりましたが、イギリスのアマゾンプライム会員数について、

  • アマゾンが「イギリスのプライム会員数は数百万人」と述べた事実(2016年1月)

と合致します(こちらはイギリスのデイリー・テレグラフの記事より)。

また、各国の人口に対するアマゾンプライム会員数の比率を見ることで、数字が妥当かどうかを考えることもできるはずです。

本当はネットで購買している人数やEC化率などを考える必要がありますが、ここでは便宜的に単に人口比だけで見てたところ、アメリカが人口比で突出していることが分かるものの、その他の国はある程度似通った数字になっています。

f:id:yellowpad:20170414120646j:plain

日本のアマゾンプライム会員数(2016年)が200万人から300万人の見込みである理由

上表では366万人という数字となっていますが、ここからいくらか割り引く必要があると考えます。

プライム会員への入会理由として、迅速な配送を期待するというユーザーが多いですが、日本はそもそもの配送が早い、というのがその主な理由です。

国土が広いアメリカでは、たとえアマゾンで買ったとしても配送に3日や5日かかることはざらであり、日本とは違って、2日間で届ける(Free Two Day Shipping)サービスがプラスアルファとして大きな訴求力を持っています。

しかし日本では、都市部に住んでいれば、当日のお昼頃までの注文が当日中に無料で届くというメリットは確かにありますが、そもそもプライム会員でなくても、当日のお昼頃までの注文であれば早ければ翌日には届きます。

日本のアマゾンプライム会員費は3900円と他国に比べて安価ですが、それでも配送に関しては会員にならなくても十分なメリットを享受できている(すなわち入会しない)とするユーザーが多いと考え、366万人から割り引き、

日本のアマゾンプライム会員数は200万人から300万人の見込み(2016年)

としました。

プライム会員数がもたらす影響(アマゾン・競合)

アマゾンにとってはプライム会員を増やしていくことが自社の順調なビジネスの伸びの基盤となるため、プライムサービスの充実と共に多様な広告を行うことで、とにかくプライム会員を増やし、自社に囲い込もうとしています。

広告の一つに、アフィリエイト広告があります。

特に2016年末には、アマゾンプライムを紹介するアフィリエイトプログラムの報酬を拡充したキャンペーン(2016年10月から12月まで、アマゾンプライムを紹介して、ユーザーがアフィリエイトリンクより無料体験に申し込むと、紹介者は紹介料3000円(通常は500円)を手に入れることができる)を行っていました。

無料体験に申し込んでもらうだけ(その後有料会員に移行したかどうかは問わない)にも関わらず高額な報酬を手に入れられるという魅力的なアフィリエイトプログラムにより、多くのブログやアフィリエイトサイトがアマゾンプライムを紹介しており、昨年末にも会員数を大幅に伸ばしたはずです。

一方競合する楽天やヤフーショッピングやゾゾタウンなどにとっては、

ネットでお買い物をする優良な顧客をアマゾンに囲い込まれてしまっている=自社の成長がその分だけ(その顧客を取れない分だけ)阻害されてしまう

という大きなリスクとなります。

従来はアマゾンとこれら楽天やヤフーショッピングなどのサイトを併用していたユーザーも、アマゾンプライムに入会した後はアマゾンの利用率が大きく増える一方、他社の利用率が下がっていくのは自然な流れです。

先日アマゾンプライムに入会した私自身が、まさにそうです。

以前は商品によってアマゾンと楽天を使い分けていたのですが、最近ではアマゾン一辺倒になっています。

最後に

日本のアマゾンプライム会員数を推計してみましたが、数字としては妥当なところだと考えています。

日本のアマゾンの売上規模や伸びを考えると、もはやプライム会員数は数十万人という小さな規模ではないであろうこと、その反面いくら増えているといっても年会費3,900円がかかる有料のサービスであることから、まだ500万人以上にはなっていないであろうことも、こう考える理由の一つです。

関係者の方がいらっしゃったら、匿名でもいいのでぜひコメントを頂きたいですね。

200万人から300万人という規模のプライム会員を抱えるアマゾンは、様々な広告やキャンペーンおよびプライム自体のサービスを拡充させることによって、さらにプライム会員を増やしていこうとしています。

しかしアマゾンが将来的にプライム会員費を値上げする(もしくはサービスレベルを据え置く)ということは十分考えられることであり(実際アメリカでは、当初50ドルからスタートしたプライム会員費が現在では99ドルです)、この辺りの話はまた別の機会に見てみようと思います。

宅配危機が叫ばれる中にあっても、これらプライム会員にも支えられながら順調にビジネスを伸ばしていくアマゾンに、国内の競合他社がどのように対抗していくかも期待したいところです。

アマゾンに関して、またネット通販市場規模に関して、関連するこのような記事もかいておりますので、ぜひお読みください。

www.yellowpadblog.com

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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