黄色いノート

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RFIDについて、ICタグとの違いやシステムの仕組み及びアパレルでの活用事例

アパレル大手でRFID(無線自動識別技術)の活用が進んでいるという記事を読み、RFIDとICタグの違いや、タグって電池切れしてしまわないのか、どういう活用事例があるのか(主にアパレルにおいて)など、今まで疑問に思っていたことをこの機会に調べてまとめました。

RFIDとは

最近いろんなところで耳にするRFIDですが、それはそもそも何かということを調べたところ、Wikipediaなどからの情報より、

RFID(Radio Frequency Identifier / Radio Frequency IDentification)とは、ID情報を埋め込んだRFタグから、電磁界や電波などを用いた近距離(周波数帯によって数cm~数m)の無線通信によって情報をやりとりするもの、および技術全般を指す。

というように、「無線自動識別の技術全般を指すシステム」ということが分かりました。

そのため、ICタグやICカードは、「RFIDを構成する要素の一つ」ということになります。

RFIDは、

  • RFIDタグ(ICタグ、ICカード) 
  • アンテナ付きの読み取り装置(リーダー/ライター)
  • PC(IDにひも付けられた情報を保存するデータベース)

の3つの製品というか機器というかによって成り立ち、全体で1つのシステムを構成しています。このシステム構成や通信の流れを、下図にまとめました。

RFIDを構成する機器および通信の流れ

通信の流れは以下のようになります。

RFID/IC CARDの概要を紹介しますというこちらに掲載されていた図に加筆し、流れが分かりやすいようにしました。また、流れを1つ加えています。

RFIDを構成する機器および通信の流れの図

パッシブタグの通信の流れ

  1. アンテナが電波を発信
  2. RFIDタグ内のアンテナがリーダー・ライターからの電波を受信。
  3. 共振作用により起電力が発生。(電磁誘導など)
  4. RFIDタグ内のICチップが起動し、チップ内の情報を信号化する。
  5. RFIDタグ側のアンテナから信号を発信。
  6. リーダー・ライターのアンテナで送られてきた信号をキャッチ。
  7. コントローラーを介してPC(データ処理装置)へ。

アクティブタグとパッシブタグの違い

この中でキーとなるのが「RFIDタグ」ですが、このタグには「アクティブタグ」と「パッシブタグ」の2種類があります。RFIDタグに注目が集まっているのは、この「パッシブタグ」が安価に量産(1枚あたり10円以下)できるようになったためです。5年ほど前は、1枚あたり100円程度かかっていました。

パッシブタグとは

電池を内蔵していないタグです。

上記の通信の流れにあるように、読み取り装置(リーダー・ライター)から電波を受信し、それを電力に変えて動くという仕組みです。

そのため、電池切れの心配が無く、ICタグ側の情報を読み取りたいときにだけ動作するというメリットがあります。

SUICAやFelicaに使われている技術のFelica(非接触型)などが、こちらのパッシブタイプです。

電子マネーのICカードも、利用者が使う時に読み取り装置にかざして使いますが、そのかざした時にICカードが起動するということです。

一方、通信できる距離が短いという特徴があり、規格により異なりますが例えばFelicaだと最大でも1メートル程度となっています。

アクティブタグとは

電池を内蔵しているタグです。

通信時に自らの電力で電波を発するため、内蔵されている電池が尽きると使えなくなるという短所がある一方、パッシブタグに比べてより長距離(数十メートル)でも読み取り装置と交信ができるというメリットがあります。

RFIDの特徴およびバーコードとの違い

RFIDの特徴としては、

  • 非接触
  • ICタグにデータを格納可能
  • ICタグにはユニークなIDを発行可能
  • ICタグのデータに対し、Read/Writeが可能(読み取り装置との交信によって)
  • ICタグが汚れていても読み込める

というところがあります。

バーコードとの違いを見ていくと、より分かりやすいかと思います。

バーコードの情報を読み取るためには、レーザーなどでバーコードを1つ1つスキャンしていく必要があります。スキャナーを製品のバーコードにかなり近づけなければなりませんが、大半の商店やスーパーのレジはこの仕組みになっています。

一方RFIDは、電波でタグを一気にスキャンすることができるため、1つ1つスキャンしていく必要がありません。

そのため、後述しますが製品の棚卸しやレジ作業などを大幅に軽減することができます。棚に並んでいる製品を取り出す必要が無く、棚全体に対しスキャンができるためです。

また、RFIDは通信を利用しているためRFIDタグが汚れていても問題ありません。一方のバーコードは、バーコードが折れ曲がっていたり汚れていたりすると読み取れなくなるという欠点があります。

現時点でバーコードが勝っているのは価格および、その読み取り機器が普及しているということぐらいではないかと思います。

これからはバーコードに代わりRFIDが普及する未来がやってきます

RFIDの価格

大日本印刷が、低価格なUHF帯ICタグ(RFID)の開発に着手し、2020年までに単価5円以下、2025年に1円のICタグの実現を目指すと3月7日に発表した、という記事がありました。

現在はRFID1枚あたり10円程度となっていますが、2025年までに1枚1円となると、より活用できる業種が広がっていきます。

アパレルでの活用事例

日経新聞のこちらの記事に、アパレルにIT活用の波、という内容がありました。

IT活用の波というより、RFIDを活用して在庫情報であったり棚卸しであったりレジ清算作業であったり、それらの効率化の話でしたが、以下にいくつかを抜粋します。

オンワードホールディングスのRFID活用事例

オンワードホールディングスはアパレル関連の売上が2500億円近くに上るアパレル大手ですが、2018年2月までにRFIDを全面導入するということです。

オンワードホールディングスの主要ブランドとしては23区や組曲などがありますが、これらを含む全ブランドでICタグを採用し、スキャナーを主要倉庫(現在は13箇所にある倉庫を数箇所に集約)に配置して検品作業を従来の1/10に抑え、19年度までに店舗ごとに仕分ける人員を半減するということです。

オンワードホールディングスは以前はデンソーウェブの仕組みを使っていました(今は不明)。

デンソーウェブがオンワードホールディングスが扱っているブランドの1つである「チャールズ&キースグループ」の原宿1号店に提供したRFIDテーブルスキャナは、

  • 出力が調整できるので隣のレジにあるRFIDタグを読まない
  • 免許登録が不要
  • レジ台に商品を置くだけでレジ入力が完了するので早い
  • 会計前の客に対し、梱包だけ先に済ませて最後にレジを通すことが可能

というメリットがあったということです。

消費者からすると、レジ清算作業が早くなるのは喜ばしいことですし、事業者も人員配置を見直すことができるというメリットがあります。

ちなみにこのエントリとは関係ないですが、この話がいつのことなのかを調べたところ、「チャールズ&キースグループ」の原宿1号店がオープンしたのは2013年4月のことで、2016年12月には国内全店舗を閉鎖(ECのみ継続)ということでした。アパレルの移り変わりの早さを感じます。

ファーストリテイリングのRFID活用事例

ユニクロとジーユーを展開しているファーストリテイリングも、それぞれにてRFIDを活用しています。

ジーユーは、8月末までに国内店舗数の約半分にあたる176店舗にICタグを活用したセルフレジを導入する。試験導入した店舗で生産の所要時間が有人レジに比べ最大約1/3に短縮できた。

ということですが、ジーユーは2015年5月には4店舗でRFIDの利用をテストしていました。セルフレジはATMっぽい感じで、1人が商品を清算するのにかかる時間は1分数十秒ということです。
参考:GUのセルフレジを体感 時間短縮で満足度UP

インディテックス社(ZARA)のRFID活用事例

2016年に日本全店で導入済みとなっています。

インディテックス社は、世界に広がる全店での製品へのRFIDタグ取り付けを進めています。

全製品にこのRFIDタグがつくと、倉庫への入荷から倉庫からの出庫、お店への納品やお店からの返品など、製品の動きを全て把握できることになります。

もちろん棚卸しも簡単になるため、効率化の効果が大きく出ることが考えられます。

アパレルがICタグを導入しているのは、人手不足を補うためにできるだけ業務の効率化を行わなければならないから、という理由もあります。

検品ひとつとっても、製品のバーコードを一つ一つ読み取る作業に比べ、開封前の製品群に対して簡単に検品できるICタグのメリットは明らかです。

最後に

RFIDタグを製品につけることによって、その製品の動きを把握できたり(棚卸しの効率化・在庫の把握)レジ清算が早くなったり、様々なメリットがあります。

製品だけでなく棚にもRFIDタグと交信し情報を受け取る仕組み(RFIDスマートシェルフ)を入れておけば、「どの商品が何回手に取られ、何個売れたか(=何回棚に戻されたか)」など、より深い顧客動向を探ることもできるようになります。

アパレルだけでなく多くの業界に広がっていくRFIDは、引き続き見ていこうと思います。

参考:5分で絶対に分かるRFID
参考:用語集

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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