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黄色いノート

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EUが反発しているイギリスの離脱文書の英語原文とその日本語訳

3月29日にイギリスが欧州連合(EU)に対して離脱を通知しましたが、その文書が「脅しのようだ」としてEU側の反発を招いています。

「イギリスは安全保障面の交渉と通称関係の交渉とをセットにして取引しようとしている」

というのがEU側の言い分ですが、いったいどういう英語文言なのだろうと思い、離脱文書の英語原文を読んで日本語訳を作りました。

イギリスのEU離脱文書の概要

ワシントンポストがイギリスのEU離脱文書の全文を掲載しています(英語)。

ちなみにこの英語原文を探すときには”full text of eu exit letter”などで検索しました。この"full text of"という単語で”全文”という意味ですので、こういう時に役立ちます。

3月29日に公表されたこの文書は全6ページから成っており、2016年6月23日にイギリス国民がEU離脱を決めたことから始まっています。

  • イギリスはEUの繁栄を願っている
  • イギリスとEUはこれからも特別なパートナーであるべきだ
  • これからの交渉をスムーズに行いたい

などの内容が書いてあります。

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EU側の反発を招いた文章中の2箇所

イギリスの新聞ガーディアン(英語)の記事タイトルは「Don't blackmail us over security, EU warns May」、同じくイギリスの新聞サン(英語)の記事タイトルは「Angry EU leaders accuse Theresa May of blackmailing EU over terrorism coordination on first day of Brexit talks」となっていますが、いずれもEU側が反発していることが分かります。

この6ページに渡る文書の中で、EU側の反発を招いた箇所は2箇所あると考えています。

1箇所目

まずは3ページ目にあるこちらの英語です。

If, however, we leave the European Union without an agreement the default position is that we would have to trade on World Trade Organisation terms. In security terms a failure to reach agreement would mean our cooperation in the fight against crime and terrorism would be weakened. In this kind of scenario, both the United Kingdom and the European Union would of course cope with the change, but it is not the outcome that either side should seek. We must therefore work hard to avoid that outcome.

これを日本語に翻訳すると以下になります。

もしイギリスがEUとの合意無く離脱する場合、通商関係の基本的な立場は世界貿易機関(WTO)の取引条件にて取引することになります。

合意に達することができなかった場合、安全保障面に関しては犯罪やテロとの戦いに対する我々の協力が弱まることを意味するかもしれません。

そうなった場合でも、もちろんイギリスとEUは協力して変化に対応することになるはずですが、しかしそれは両者が求めるべき結果ではありません。

その結果を避けるために、両者は努力する必要があります。

2箇所目

最後の6ページ目で、以下の英語となります。

As I have said, the Government of the United Kingdom wants to agree a deep and special partnership between the UK and the EU, taking in both economic and security cooperation. At a time when the growth of global trade is slowing and there are signs that protectionist instincts are on the rise in many parts of the world, Europe has a responsibility to stand up for free trade in the interest of all our citizens. Likewise, Europe's security is more fragile today than at any time since the end of the Cold War. Weakening our cooperation for the prosperity and protection of our citizens would be a costly mistake.

翻訳すると以下になります。

先ほど述べたように、イギリス政府は、イギリスとEUとの間で経済協力と安全保障協力の両方を取り入れた深く特別なパートナーシップに合意したいと考えています。

世界的な貿易の成長が減速し、保護主義の兆候が世界の多くの地域で顕在化している現在、ヨーロッパはすべての市民の利益のために自由貿易を守る責任があります。

またヨーロッパの安全保障は、冷戦終結から現在に至るまでの中で、最も脆弱なものとなっています。

市民の繁栄と保護のための協力を弱めることは、大きな間違いです。

最後に

当然ですが、さすが外交文書だけあって、もちろん直接的に「通商政策の交渉を前進させなければ安全保障交渉も進めないよ」ということは言っていません。

ただし上記の日本語訳のように、それを言外に匂わせるような形になっており、それが

「交渉全体を有利に進める材料(bargaining chip)として安全保障を扱うのは間違っている」

とEU側の反発を招いています。

EUとしては残りの加盟国の立場もありますし、イギリスにいいとこ取りだけは許さないという強い態度を示す必要があります。

しかしEU加盟国を含め、世界各国が内向きの姿勢を強めていく中で、EUとイギリスがこれからどのような条件で合意し、イギリスが離脱していくのでしょうか。

内向きな姿勢の1つとして、アメリカでトランプ大統領が就任時に述べた「アメリカ・ファースト(アメリカ第一主義)についてもエントリを書いています。

よろしければお読みください。

www.yellowpadblog.com

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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