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黄色いノート

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オフィスの座席配置やデスクレイアウトの変更をする際、各国の小学校の座席配置事例を考える

固定座席が無くなるフリーアドレスを導入する企業が、ITやベンチャーを中心として増えています。

フリーアドレスの導入とまでいかなくても、何らかの目的でオフィスの座席配置やデスクレイアウトの変更を考える企業もありますが、その際にはその「目的」がとても大事です。

達成したい目的によって、最適な座席配置やデスクレイアウトが異なるからです。

日本で生まれ育った私が小学校の座席配置を振り返ると、黒板に向かって1人1人の机が一定の間隔を保って並んでいるという配置を基本とし、授業内容によってコの字型になったり、llのように向かい合ったり、机をつけて4人で一組、のようにしていました。

今考えると授業の目的によって座席配置を変更していたということが分かりますが、これは社会人になって企業という場でオフィスの座席配置やデスクレイアウトを考える際にも、大切な視点だなと思います。

フリーアドレスについて

フリーアドレスは社員のコミュニケーション促進が目的

以前はコストの削減がフリーアドレス導入の主目的でしたが(営業が多い会社など、オフィスに常勤社員が少ない会社で省スペース化を図る)、現在では社員間のコミュニケーションの促進が主目的になっています。

フリーアドレスのメリット

メリットは3つあると思います。

  • 固定されがちな部署の垣根を越えた社員間のコミュニケーションが生まれる
  • その結果として様々な刺激を受け、新しいアイディアが生まれる
  • プロジェクトごとに関連社員が集まって座ることで、効率的に進行できる

また、経済産業省が推進するクリエイティブオフィスというものがあります。

クリエイティブオフィスとは、知識創造行動を誘発する空間・ICTツール・ワーカーへの働きかけと、組織の目標とプロジェクトのゴールに向けたマネジメントの双方を備える働き方に適した場、ということですが、これらはフリーアドレスで実現できる部分が大きいです。

知識創造行動とは、下記の4つの枠組みに分類される12の行動を示します。

  • 刺激しあう:ふらふら歩く、接する、見る / 見られる / 感じる
  • アイディアを表に出す:軽く話してみる / ワイガヤ・ブレストする / 絵にする、例える
  • まとめる:調べる、分析する、編集する、蓄積する / 真剣勝負の討論をする / 診てもらう、聴いてもらう
  • 自分のものにする:試す / 実践する / 理解を深める

確かに、座席が固定されている場合に比べ、フリーアドレスではこれらの行動の多くを実行しやすくなりますね。

知識創造には刺激が大切なので、働く環境から半ば強制的に刺激を受けられる仕組みのフリーアドレスは確かに向いています。

フリーアドレスのデメリット

一方デメリットは以下の点があるかと思います。

  • フリーアドレスと言いながら、座席や近くに座る社員が固定化されてしまい、特定のグループが形成されてしまう
  • 上司が部署の社員を管理することが難しくなる一方、部署の社員同士でも互いに何をしているかが分かりにくくなる
  • 既存社員となじみの無い中途入社社員が疎外感を感じる可能性がある

1点目は特に起きがちな問題で、何かしらの仕組み(日々、もしくは一定時間で強制的に違う場所への移動を促したり、そもそもの座席配置をランダムで設定したり、など)を用いない限り解決は難しいはずです。

とはいえ、近くに座ることが多いということは業務の関わりが多いなどそれなりの理由があるはずですし、フリーアドレスの難しい点です。

次に、デスクレイアウトを見てみます。

デスクレイアウトについて

デスクレイアウトがオフィス内コミュニケーションを左右する

私は個室、島型レイアウト、各人が四角形の隅に向かう形などで働いたことがありますので、その体験から日本で一般的な島型レイアウトについてメリット・デメリットを書きます。

銀行や役所でよくある、同一方向を向いたレイアウトで働いたことはありませんが、これは想像してみて直感的にこういう座席配置で働くのは嫌だな、、と思いました。

日本で一般的な島型レイアウトのメリット・デメリット

島型レイアウトですと、上司が端に座って部署全体を見渡せるというメリットがあります。その他に思い浮かぶメリットは隣の人と話しやすくコミュニケーションを取りやすいといった部署の一体感ぐらいですが、ちょっと調べたところ「電話機が少なくて済む」というメリットがあったことを知りました。

たしかに電話機がそれほど普及していなく、電話機が希少であった時には、これも大きなメリットだったんですね。隔世の感があります。。

デメリットとしては、向かいの席の社員および上司の視線が気になるという点ですね。

自分が上司という立場で島型レイアウトに座ったことは無いのですが、部下として座っていた立場から言うと、上司が横から(常に)見ているという視線はやはり気になります。

情報が部内にとどまりがちでコミュニケーションが阻害されるというのは、自分の経験ではそれほど当てはまりませんでした。

その島の誰かに話を聞きに行った時に、その話を横耳で聞いていた誰かが関連する情報を教えてくれるということもありました。

銀行や区役所など同一方向を向いたレイアウトのメリット・デメリット

おそらく、全員が同一方向を向くことによって視線が交わることが無く、業務に集中できるというメリットがあります。

一方、最後尾に座る上司でない限りは、自分の後ろには常に誰かがいる=自分の仕事環境を常に誰かに見られているということであり、これはとても嫌です。

見られていると思わせることで、不正を抑止するという効果もあるのかもしれませんが、精神衛生上よくないですね。

それぞれのデスクレイアウトにメリット・デメリットがあり、それぞれの目的があることが分かります。次に、ビジネスからはだいぶ離れますが、小学校の座席配置を振り返ります。

各国で異なる小学校の座席配置

小学校の座席配置が国によっていろいろ異なるというおもしろい記事がありました。

こちらの図を見ていただければ一目瞭然なのですが、特に理由がないように見える座席配置のあり方は、実は各国の教育目的を達成するための手段の一つ、ということです。

5カ国の小学校の座席システムが全部違っていたことを表す図

出典:5カ国の小学校の座席システム。実は、全部違った。

ちなみにこの図については、「アメリカ 小学校 座席」で検索しても同様の配置がほとんど出てこなく、これがアメリカにおいて普遍的な配置とは限りませんが、各国で配置が異なるというエッセンスについては間違いありません。

各国の教育の目的

授業内容によって座席配置はきっと変わるはずですし、一般化するのは難しいながらも大雑把にまとめさせていただきました。

アメリカ・イギリス・フランスは個の意見を主張してしっかりとディスカッションできるようになることを重視する一方、ロシアと日本は個の理解を重視しているように思います。

日本に関しては各国の教育を受けたこの記事の著者が

ただ、違いは、みんなで多数決をよくするところにあった。ディベートに染まっていた私にはとても生温く感じた。すごくいい意見を持っている人がいてもそれが選ばれないことがあり、代わりにみんなで決めた当たり障りないものが選ばれたとしてもみんな満足そうにしていた。

ここでは、「いい」よりも「みんなが選んだ」が重要だった。これが、不満を生まない理由につながり、みんなポジティブに決めたことに取り組んでいた。そうか、みんなで決めるとその後のやる気に関係してくるのか。このやり方も確かに面白いと思った。

と述べており、まさにその通りだなと共感しました。

各国で異なる国民性というものは、こういう細かいところからも生まれてくるはずですし、また元々の国民の気質(家庭における両親やその他の家族の存在など)とも相互補完的な関係なのだと思います。

教科や目的に応じて座席配置を変える

前述のように、私が通っていた小学校では黒板に向かって1人1人の机が一定の間隔を保って並んでいるという配置を基本としていました。

ディベートの時にはコの字型に机を移動させましたし、グループワークの時には机を4つとか6つになるように移動させていました。

通常の授業では「個の理解を重視する」という目的を達成するために黒板に向かって座り、「ディスカッション・コミュニケーションを促進する」という目的を達成するためにコの字型などに座席配置を変更しています。

このように、目的に応じて最適な座席配置があるはずで、その視点はオフィスの座席配置やデスクレイアウトに活かせるはずだと考えました。

最後に

オフィスでフリーアドレスを導入したり、座席配置やデスクレイアウトを変更しようという際には、何か目的があるはずです。

フリーアドレスは社員間のコミュニケーションの促進が主目的であると書きましたが、各社員の作業を優先させたい場合やディスカッションを優先させたい場合、またそれらを複合的に取り入れたい場合など、座席配置やデスクレイアウトによってそれぞれの目的を促進できる余地は必ずあります。

ファシリテーションとは、リーダーが参加者に対し、会議やミーティングの場で発言や参加を促したりすることですが、座席配置やレイアウトをファシリテートすることによって発言や参加(ディスカッション)を促すことができます。

今まで特に振り返ったことも、他国と比較しようと考えたこともなかった小学校の座席配置ですが、実はその配置は各国が望む教育を行うための一つの手段だったということが分かりました。

別段意識することがない環境というものが与える影響が大きいこと、また目的はいろいろな手段によってサポートすることができるのだ、ということを思います。

最後に脱線しますが、小学校の教室を思い浮かべた時、教室の窓は黒板に向かっていつも左側にあり、ドアは右側にありますよね。

なぜだかお分かりになりますでしょうか?

私は分からなかったのですが、

「窓は、教室の左側にある。キミの文字が手の影で隠れないように」

教室の窓は黒板に向かっていつも左側にあり、ドアは右側にある理由


ということでした。

いろいろなことに理由ってあるんですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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