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黄色いノート

ネット通販/EC、新技術、仕事など、いろいろ書いています

グーグル対アマゾン:広告モデルのグーグルにとって最大の脅威はアレクサをも持つアマゾンである

(読了6分)ネットで何かを探すとき、検索エンジンは何を使っていますか?

きっとグーグルですよね。ヤフーの方もいらっしゃると思いますが、(実はヤフーはグーグルの検索エンジンをカスタマイズして使っています)検索エンジンにおいて圧倒的なシェアを持つグーグルにとって最大の脅威は(アレクサをも持つ)アマゾンである、という記事(英語)がありました。

グーグルは何かを探すとき、アマゾンは何かを買い物するとき、というように、この2つを比較対象とするのはおかしいのではないか?とお思いの方もいらっしゃると思いますが、どういうことかこれから見ていきます。

グーグルのビジネスモデル=広告

ご存知のようにグーグルのビジネスモデルは広告で、グーグルの収益の90%以上が広告からもたらされています。

ユーザーが検索したキーワードに関連した広告を、ユーザーの検索結果画面に表示させる検索連動型広告(SEM)と呼ばれる広告からのものが主となっています。

そのためグーグルにとっては、

  1. できるだけ多くのユーザーに検索をしてもらう
  2. そこに多くの企業に広告を出稿してもらう
  3. ユーザーがその広告をクリックすることでグーグルにお金が入る(=企業が払う)

という構図が望ましく、このサイクルはとてもうまく回っていました。

企業側にしても、購買意欲を持ったユーザーの検索結果画面に自社広告を出稿するのは効率がいいため、この検索連動型広告(SEM)に積極的に投資してきました。

この構図が、アマゾンにより少しずつ変わってきています。

購買意欲のあるユーザーが、アマゾンを検索の入り口にし始めている

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Raymond Jamesの調査(524人が対象ということで大規模な調査ではなく、また対象者の内訳は不明ですが、アメリカで行われたもの)によると、「オンラインショッピングをする時に、どこからスタートして製品を探しますか?」という質問に対し、

  • アマゾンから探す:回答者の52%
  • グーグルから探す:回答者の26%

ということで、アマゾンから探すユーザーがグーグルから探すユーザーの2倍!いる、という結果になっています。

こちらの調査は2016年12月におけるものですが、2年前の2014年12月時点では、

  • アマゾンを検索の入り口にする:回答者の38%
  • グーグルを検索の入り口にする:回答者の55%

となっており、この2年でアマゾンとグーグルのシェアが完全に逆転していることが分かります。

これは購買意欲の高いユーザーにアプローチしようとしている企業にとって、そしてその企業から広告収益を得ようとしているグーグルにとって、由々しき事態です。

なぜユーザーはアマゾンで検索しているのか

最初に挙げられるのが、充実したプライムサービス(アメリカでは99ドル(約1万7000円)で加入が可能)です。

アメリカでは多くのユーザーがプライムサービスに加入しており、これらのユーザーがオンラインショッピングをする際にアマゾンで物を探し始めるというのは自然な行動です。

この記事でも触れていますが、アマゾンプライムの会員数がアメリカでは6500万人を超えたというCIRPのレポートが出ており(アメリカの人口は3.2億人のため、およそ5人に1人がアマゾンプライム会員であるという衝撃的な数字になっています)、この数はますます増えています。

www.yellowpadblog.com

続いての理由が充実したマーケットプレイスによる豊富な商品群です。またその商品群の配送を支える、フルフィルメント by アマゾンによって、ユーザーは素早い配送を期待できるという利点もあります。

アマゾンをさらに優位に、グーグルを窮地に追いやるデバイス、アレクサ

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10年前にスマホが登場し、インターネットにアクセスするユーザーの過半数がモバイル(スマホ+タブレット)を利用していることによって、インターネット環境はユーザーにとっても企業側にとっても大きく変わりました。

そしてここにきて新たな技術「音声認識」が立ち上がろうとしています。

身近にもiPhoneに搭載されているSiriがありますが、アマゾンが提供している音声認識デバイスがアマゾンエコー(アレクサ)です。

アマゾンアレクサとは人工知能を備えた音声認識プログラムのことを示し、アマゾンエコーとはアマゾンアレクサを搭載した小さな形のスピーカーを示します。

このスピーカーに「ハロー、アレクサ!」と話しかけることにより、今日の天気を調べることからアマゾンで物を買うことまで、いろいろな命令をアレクサに行わせることができます(アレクサについては、また別途調べてみます)。

10年前に、「10年後にはキーボードとマウスは主流デバイスではない」と言っても誰も信じなかったでしょうが、現にスマホの登場によってそうなっています。

これから10年後の主流デバイスが、スマホから音声認識技術を備えたデバイス(アレクサなど)に変わっていたとしても、何の不思議も無いわけです。

アマゾンはこのアレクサおよびそれに関連する技術の開発を急いでおり、今年のCES2017(Consumer Electronics Show)でも、こちらのブログでおっしゃられているように、

「家電から車まで、何もかもがAmazon Alexaに蹂躙された」
大手メディアが書かない、CES2017の実態(出展者目線) - キャズムを超えろ!

ということだったようです。

少し長くなりましたが、ユーザーが「ハロー、アレクサ!」と、この人工知能を備えた小型デバイスアレクサに話しかけるほど、ユーザーはグーグルを使わなくなっていくということになり、こちらもグーグルにとって憂慮すべき事態です。

ちなみにグーグルももちろん、この音声認識の世界に対して手をこまねいているわけではなく、Google Homeというデバイスによって巻き返しを図っています。

グーグルの次の打ち手

グーグルとしては、

  1. 直接的にアマゾンに対抗する手段としてオンラインショッピングに本格的に取り組む(誰か今のグーグルショッピングをきちんと使っている事業者・消費者っているんでしょうか。。)
  2. 未来を見据えた打ち手として、グーグルが入っている物理的なデバイス(アレクサのような、グーグルホーム。もしくは引き続きグーグルピクセルなどのスマホ。)を提供しユーザーを囲い込む

というものが考えられます。

さいごに

1. については、既にこれだけ巨大な配送網とサービスを築いたアマゾンに対抗していくのはいかにグーグルといえども難しいのではないかと思われるため、2. により期待をかけるのかなと考えています。

この調査はアメリカでのものですが、日本でも同様の調査をどこかの会社にぜひ行ってもらいたいところです。

ユーザーがオンラインショッピングを行おうとする際に、

  • グーグルで検索するのか
  • ヤフーで検索するのか
  • アマゾンで検索するのか
  • それ以外の楽天、ヤフーショッピング、ゾゾタウンなどで検索するのか
  • メーカーサイトで検索するのか

というのは非常に興味深いデータですし、ここにさらに、

  • インスタグラムなどのSNSで検索する

という選択肢が入ってくるかもしれないですね。

変化が早いネット業界ですが、できるだけアンテナを高くし、いろいろな情報や傾向をキャッチアップしていきたいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今後もいろいろなエントリを書いていきますので、ぜひお気軽にTwitterのフォローや読者登録をお願いします。