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黄色いノート

ネット通販/EC、新技術、仕事など、いろいろ書いています

内向きなアメリカ第一主義・アメリカファーストの世界の到来

世の中

(読了7分)1月20日、アメリカの第45代大統領にドナルド・トランプ氏が就任しました。

就任演説を聞いて感じたのが、強烈な

アメリカ第一主義(アメリカファースト)
内向きの志向

です。

その就任演説の全文(英語)は各所に載っていますが、文章を読むだけですとその強烈さを見誤る恐れもありますので、動画へのリンクも貼っておきます。

トランプ大統領の、他国との関係についての認識

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トランプ大統領がどう他国との関係を認識しているか(またそれを米国民にどう伝えるか)が、極めて明確に現れていました。

以下にスピーチ文と翻訳文を掲載します(特に引用の断りがない限り、このブログでは私が翻訳文を作っています)。

For many decades, we've enriched foreign industry at the expense of American industry;
長い間、アメリカは自らの産業を犠牲にして他国の産業を豊かにしてきた

subsidized the armies of other countries, while allowing for the very sad depletion of our military.
他国を守るために、自国の軍隊を犠牲にしてきた

We've defended other nations' borders while refusing to defend our own.
他国の国境を守るにもかかわらず、自国の国境を守ってこなかった

And spent trillions and trillions of dollars overseas while America's infrastructure has fallen into disrepair and decay.
他国のために何兆ドルも使った一方、自国のインフラは荒廃してしまった

We've made other countries rich, while the wealth, strength and confidence of our country has dissipated over the horizon.
他国を豊かにする一方、私たちアメリカの豊かさや強大さや自信は地平線のかなたに消えていった

これらから、「アメリカは他国との関係において損をしてきた」という明確な認識が伝わってきます。

真実はどうあれ、このような主張が多くのアメリカ人に共感を得たからこそ、トランプ大統領が誕生したと言うこともできます。

アメリカ第一主義

そしてこれからどうするのかと言うと、

From this day forward, it's going to be only America first, America first.
今日から、アメリカ第一主義となる。アメリカ第一主義。

Every decision on trade, on taxes, on immigration, on foreign affairs will be made to benefit American workers and American families.
貿易、税、移民、外交に関するすべての決定は、アメリカの労働者とアメリカの家族のために行われる。

We will follow two simple rules; buy American and hire American.
私たちは2つのシンプルなルール、「アメリカのものを買い、アメリカ人を雇用する」を定める

このように、強くアメリカ第一主義を謳っています。

これを宣言したトランプ大統領が使っているスマホはiPhoneではなくSamsungであり(製造も恐らくアメリカ国内ではない)、この演説を聞きにきた多数の聴衆が持っていた帽子などのトランプグッズも国外で生産された物だったという現実がありますが、それに続くスピーチも下記のようになっています。

保護主義への傾倒

アメリカ第一主義に続き、保護主義への傾倒も強く打ち出されています。

Protection will lead to great prosperity and strength.
保護主義によって、偉大な反映と強大さがもたらされる

そもそもグローバル化した世界で、その一番の恩恵に与かっているのがアメリカではないかと思うのですが、これからのアメリカはそうではないということになります。

それに続き、

We will seek friendship and goodwill with the nations of the world, but we do so with the understanding that it is the right of all nations to put their own interests first.
アメリカは他国との友好と親善を求めるが、それは「全ての国に、自国の利益を優先させる権利がある」という理解があってのものである

ということも言っていて、ここでは全ての国としていますが、一番に優先されるべきは当然アメリカである、ということが言外に伝わってきます。

オバマ大統領の就任演説との比較

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オバマ大統領は2期8年を勤めましたが、その2期目の就任演説と比べてみますと、2期目ということもあるかと思いますが、トランプ大統領が述べているような現実の国内問題や他国との関係よりも、高い次元の理想や理念(自由・平等)を謳っていることが分かります。

日本語全文(英語との対訳付き)

良い悪いは別として、オバマ大統領のこのような理想・理念追求の姿勢に共感できなくなった(共感する余裕が無くなった)アメリカ国民がトランプ氏に投票し、トランプ大統領を生み出したという側面があると思います。

一方、目先のことや自国の利益ばかりを追い求めるのではなく、高い理想・理念の追求を政治という場においてこそ行うべきという考えもありますし、難しいですね。

最後に

トランプ大統領の就任演説を聴いて、強く「アメリカ第一主義」「内向きな志向」を感じました。

軍事力・文化力を背景に世界のいたるところで強いプレゼンスを持ち、多国間の枠組みの中でいろいろな案件や紛争に良くも悪くも介入してきたアメリカの、大きな転換だと思います。

貿易に関してもNAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉の方針を示し、またTPP離脱を表明する代わりにアメリカの国益を反映させやすい二国間の協定を結ぼうとしています。

TPPの離脱も表明しましたが、日本にとっては非常に大きな影響があります。

仮にアメリカと日本の二国間交渉になった場合、アメリカに有利な=日本に不利な通商協定を、多国間の枠組みであったTPPでの交渉に比べてどこまで押し返すことができるのか分かりません。

また、選挙期間中に

「世界の警察をやめる」

という発言もしていて、確かにアメリカが世界の全ての問題を解決できるわけではないですし、過干渉がもたらす弊害も多々ありますが、アメリカ(アメリカ軍)の存在によって抑えられていた別の問題もいろいろ出てくることになります。

就任演説の中でも、

We do not seek to impose our way of life on anyone, but rather to let it shine as an example. We will shine for everyone to follow
アメリカの生き方(価値観)を他国に強要するつもりは無いが、むしろよい手本となって輝く。他国はその輝きに追従するだろう

というように、他国への干渉を減らしていくような言及がありました。

これから実際の施策がどのようなものになっていくか、日本にも大きな影響があるだけに、注目ですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今後もいろいろなエントリを書いていきますので、ぜひ読者登録をお願いします。