黄色いノート

ネット通販/EC、新技術、仕事など、いろいろ書いています

平成29年度予算案を読むと、将来の生活は自衛するしかないと改めて思う

(読了5分)1000兆円を超える国の借金、高齢化がもたらす社会保障費の増大、そして少子化など、断片的な情報から「将来はどうなるのか」という不安がありますが、12月23日に発表された平成29年度予算政府案を見たところ改めて、「将来の生活は自衛するしかないんだな。。」ということを思い知りました。

予算案は財政の現状や各項目の内訳・伸び率が示されており、全体像を分かりやすく把握することができます。

発表された平成29年度予算案からいくつかの要素を抜き出して見ていきました。数字資料は全て財務省発表のこちらをソースとしています。

歳出と歳入のバランス

予算規模ですが、平成29年度予算案は過去最大となる97兆4500億円となっています。

f:id:yellowpad:20170125112242j:plain

歳出としては

  • 国債費(24.1%)
  • 社会保障費(33.3%)
  • 地方交付税交付金等(16.0%)
  • 公共事業(6.1%)
  • 文教及び科学振興(5.5%)
  • 防衛(5.3%)
  • その他(9.7%)

というようになっており、いかに社会保障費が大きいかということがよく分かります。歳出全体の33.3%を占めているわけですから。

一方これを支える歳入ですが、

  • 租税及び印紙収入(59.2%)
  • その他収入(5.5%)
  • 公債金(35.3%)

となっており、公債金無くしてこの歳出を支えることができないということも一目瞭然です。

そうすると次に考えるべきは、

  • 社会保障費はどれぐらいのペースで増えているのか?
  • 公債金の残高はどうなっているのか?

という点ですね。

社会保障費増大のペース

社会保障費は、年金・医療・福祉がその内訳となりますが、一般会計歳出の主要経費の推移というこちらのグラフを見ると、この社会保障費が急激に伸びていることが分かります。

f:id:yellowpad:20170125112243j:plain

2000年度と2017年度を比較すると、社会保障費は32.5兆円/17.6兆円=85%!も増加しています。

槍玉に挙げられがちな公共事業関係費は意外にも2000年度からは大きく減少していて、それ以前の1990年度などと比較しても同水準と言うことができます。むしろ歳出全体から見ると、占める割合は減少しています。

社会保障費に関しては、予算案の中に

社会保障の持続可能性を確保するために、社会保障関係費の伸びも「目安」に沿って抑制(+5,000億円)

というコメントがありましたが、これからますます進んでいく高齢化社会にあって、どのような目安なのか分からないのですが引き続き同じぐらいに抑制できるのでしょうか。。「抑制」といっても、絶対数はもちろん確実に伸びていますし。

公債金の残高

ニュースで、「国民一人当たり○円の借金」などと言われることがありますが、下記のグラフを見るとその残高がどんどん伸びていっているのが分かります。

f:id:yellowpad:20170125112244j:plain

残高が増加していることについてはいろいろな議論がありますが、私は

2014/12/12 国債累増、問題の本質をごまかしてはならない

という記事に述べられていた

  • 国債は国の借金だが同時に金融資産でもある(銀行預金が預金者の資産であるのと同時に銀行の負債であるように)
  • 国債が購入され続ける保証は無い(国債を売却して年金の支払いに充てようとした際に、常に国債の新たな買い手がいるとは限らない)
  • これだけ債務が増えても問題が起きていないということは、問題が発生しないという根拠にはならない。

という3点で、要は「健全化は進めたほうがよい」というように理解しています。

ではその健全化はどのようにしたらできるのでしょうか?

将来の生活は自衛するしかない理由

f:id:yellowpad:20170125112245j:plain

経済成長だけで、高齢化している(しかも少子化もしている)社会において財政を健全化できるとは思えず、どう考えても社会保障費の抑制・削減が不可欠です。

もちろん、何かものすごい技術革新が起きれば別ですが、それに期待して現実を見ないより、それが起きたらラッキーと思っているぐらいがよいですよね。

もう一つ、「公債を返済する」という点だけにフォーカスするならば、すごいインフレを起こすことによって(借金の額面は変わらないので)返済しやすくするという方法もありますが、それは庶民生活という観点から避けたいものです。

社会保障費とは前述のように年金・医療・福祉から成りますが、それはすなわち

  • 年金の受給開始時期の引き延ばし、徴収年齢の引き下げ、徴収の強化
  • 医療(費)の抑制
  • 福祉(費)の抑制

を意味しており、当然ながら誰も喜ばない施策です。

しかし、「65歳から高齢者」という現在の定義を見直すといった

2016/12/20 高齢者「70歳以上に」 内閣府、定義引き上げ提言

こちらのような記事もありますし、

より長く働いてもらい、かつより少なく受給してもらう

という方向性は残念ながら揺るぎなく、それどころかこれからますます強化されていくでしょう。

そのため、相対的に社会保障に頼れなくなる現役世代は、「将来の生活は自衛するしかない」ということになります。

心温まる結論ではないですが、この厳しいマクロの現状を認識して生きていかなければと思います。

最後になりましたが、このエントリを書くにあたり、たばぞうさんのこちらのエントリを参考にさせて頂きました。ありがとうございます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今後もいろいろなエントリを書いていきますので、ぜひ読者登録をお願いします。