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黄色いノート

ネット通販/EC、新技術、仕事など、いろいろ書いています

アマゾンはアプリの音声検索機能で、音声認識技術アレクサにも活かせるデータを収集

ネット通販/EC

アマゾンが提供しているお買い物アプリで、2月21日より音声検索の利用が可能(iOS版とAndroid版の両方)になっていました。

音声検索に対応しているお買い物アプリはアメリカ、イギリス、ドイツ、日本の4カ国で展開しているものとなっており、日本の音声検索エンジンは日本独自のものということです。

これでアマゾンのお買い物アプリを使って商品を探す際には、

  • 文字を入力
  • カメラで読み取り(画像・バーコード)
  • 音声

という3つの方法を利用できることになります。

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アマゾンアプリの音声検索機能を利用した感想

お買い物アプリを立ち上げると、アプリ上部の検索ボックスの横に、マイクのアイコンが追加されています。

このマイクアイコンをタップすると、下図のようなマイクへのアクセスの許諾を求めるメッセージが表示されます(初回のみ)。

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ここでマイクへのアクセスを許可した後は、欲しい商品のキーワードを話しかけると、キーワードをテキストとして手入力した時と同様に商品が検索される仕組みとなっています。

こんなキーワードで試してくださいという例として液晶テレビやランニングシューズがあったのですが、ランニングシューズに「ナイキ」「メンズ」という単語を組み合わせて検索したところきちんと認識しましたし、

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村上春樹さんの新刊を検索するために「村上春樹 新刊」と話しかけたところ、このように正しい漢字に変換され、ランニングシューズの場合と同様にきちんと結果が表示されました。

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ところが新刊のタイトルである「騎士団長殺し」と話しかけたところこの単語は認識せず、また「騎士団長」と話しかけたところ、このような結果になってしまいました。

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また、ロバートライシュの最後の資本主義という本を今読んでいるのですが、「ロバートライシュ」で検索したところこの単語は認識しなかったものの、「最後の資本主義」という商品名では検索することができました。

場合によっては作者で検索ができますし、場合によっては商品名で検索ができるようです。

ブランド名やカテゴリー名、またキーワードの組み合わせも可能ということで、実際に使ってみると認識率も高くなかなか便利でしたが、最後の作者と商品名のパターンのように、音声認識もまだまだ難しいことが分かります。

それにしても総合的な体験として、手入力よりも気軽に商品を探し始められるというのはよかったですし、利用ユーザーも少しずつ増えていくと思います。

音声検索機能の利用時に「音声保存」の許諾を求めている

この音声検索機能自体は携帯に向かって話しかけるだけなので簡単に利用できますが、その前段階でマイクへの許諾を求める画面にて、

音声データをもとに検索を行い、サービス向上のために音声を保存しています

という記述があります。

ユーザーからショッピングに関する音声データを集めて保存しているということで、アマゾンの音声認識技術アレクサに活かせるデータを収集していることが推測されます。

アマゾンとしてはより多くの音声を収集することでユーザーのニーズを把握する一方、音声認識技術アレクサ自体も向上させることができます。

3月3日には、AI活用の音声認識技術向上へ4大学と連携するという記事もありましたし、アマゾンはますますこの分野に力を入れています。

スマホへの音声検索機能の組み込み

音声検索機能はアプリを立ち上げてから利用しますが、Siriのように「音声で起動させることができる」とより便利ですし、より多くのユーザーが機能を使い、ひいてはより多くのユーザーがアマゾンを使うようになるはずです。

そのためにはアレクサを携帯端末に組み込むことが必要だなと思いますが、既にこんなことをやっていました。
Lenovo傘下のMotorola、スマホでAmazonの音声アシスタントAlexa提供へ
Siriがあるため、iOSに組み込むことはアップルが許可しないはずですが、Android端末であればこのように可能性があります。

アレクサを組み込んだ端末「アマゾンエコー」以外にも、このアレクサを物理的なデバイスに組み込んでどんどん広げていこうとするアマゾンの方針が分かります。

ひょっとしたら最近とんと聞かなくなった「Fire Phone」を再度発売するかもしれないですね。

アマゾンのFire Phoneは2014年に199ドルという魅力的な価格で登場したものの、2015年には販売を中止しています。

アマゾンはハードにもどんどん進出していますし、Fire Phoneの再登場もありえない話ではないのかなと思います。

競合ショッピングアプリの音声検索対応状況(2017年3月末時点)

大きなところとして楽天市場、ヤフーショッピング、ゾゾタウン、それぞれのアプリを調べました。

楽天市場アプリ

音声認識検索には対応しておらず、商品を検索する方法は

  • 文字を入力
  • カメラで読み取り(バーコード)

という2つとなっています。

楽天には楽天技術研究所という研究開発部門がありますし、こちらでの研究成果に期待したいところです。

ヤフーショッピングアプリ

楽天市場アプリと同様に音声認識検索には対応しておらず、商品を検索する方法は

  • 文字を入力
  • カメラで読み取り(バーコード)

という2つでした。

ヤフーは「Yahoo!音声アシスト」という、Siriのようにいろいろ話しかけることでヤフーで調べた結果を返してくれたり、また「WiFiをオフにして」「カメラを起動」と言うことでスマホの設定を変更したり、アプリを起動したりできるアプリを出しています(Androidのみ)。

アマゾン同様に多くの音声データを蓄積しているはずですので、ショッピングへの応用展開も考えているのではと思います。

ゾゾタウンアプリ

音声検索には対応しておらず、商品を検索する方法は

  • 文字を入力

のみとなっています。

ちなみにこのエントリとは関係ないのですが、ゾゾアプリをApp Storeからダウンロードするときに、「ゾゾツケ払い」を大きく訴求しているのに気付きました。

ゾゾツケ払いはゾゾの成長に大きく寄与しているという記事を読んだことがありますが(記事は探せませんでした)、これもいつか調べてみたいと思います。

音声検索機能はアマゾンのみ

ということで、現在ではアマゾンが唯一、音声検索を提供しているということになります。おさらいになりますがアマゾンでは

  • 文字を入力
  • カメラで読み取り(画像・バーコード)
  • 音声

の3つの方法で商品を検索することができますし、この「カメラで読み取り(画像)」ということをできるのもアマゾンだけですので、音声認識検索以外でもアマゾンがリードしていることが分かります。

検索結果がより便利になるようにパーソナライズしてほしい

音声検索を使っていて感じたのが、音声検索の場合には特に検索結果をパーソナライズして欲しい、ということです。

もちろん検索結果のパーソナライズは現在でもある程度されているのですが、例えば水であったりおむつであったり電球であったりと、最近買ったものから再度同じものを注文したいという人もいるはずです。

端末を触れば注文履歴からすぐに買うことができますが、音声検索でも例えば「最近買った水」と呼びかけた場合に「最近」というキーワードをフックにすることで、検索結果の最上部には注文履歴から引っ張ってきた商品情報を表示する、ということができればより便利だなと感じました。

最後に

音声認識による検索は、もちろんまだまだ改善の余地があるものの気軽に使えて便利でした。

国内では楽天市場、ヤフーショッピング、ゾゾタウンはまだこの機能を提供していないですし、しばらくはアマゾンの独壇場ですね。

また、検索エンジンで圧倒的な強さを誇るグーグルですが、アメリカでは商品を探す際にアマゾンから探し始めるユーザーが52%、グーグルから探し始めるユーザーが26%と、アマゾンから探し始めるユーザーが倍もいるという調査があります。

グーグルも音声認識技術に投資していますが、アマゾンがこのようにショッピングアプリで音声認識技術による商品検索方法を提供し、ユーザーの利便性を高めると共にアレクサの技術に磨きをかけていくと、確立しつつあるアマゾンの優位性がますます強まることが考えられます。

関連としてこのような記事も書いていますので、ぜひお読みください。

www.yellowpadblog.com

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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重要度は高いが緊急度は低い仕事を実行して成長するおすすめの方法

仕事

緊急・重要という区分で仕事やタスクを分類する時間管理のマトリックスを、一度は見たことがある、聞いたことがあるという人は多いはずです。

縦軸に重要度、横軸に緊急度を取ったフレームワークなのですが、それぞれの仕事やタスクを

  • 「重要かつ緊急」
  • 「重要だが緊急ではない」
  • 「重要ではないが緊急」
  • 「重要でも緊急でもない」

の4つの領域に分類し、どの仕事に優先して取り組むべきかの優先順位を考え、業務の進め方の改善を図る方法です。

重要度が高く緊急度も高い、または重要度は低いが緊急度は高い仕事やタスクは、その緊急性ゆえに誰しもが行っていると思いますが、それに忙殺されて一日が終わってしまうということはよくありますよね。

しかし自分の将来にとって、また長期的な視点で見たときの業務や計画に大切なのは「重要度は高いが緊急度は低い」仕事やタスクをいかに実行するかにかかっているということを改めて思い、自戒を込めて書きました。

結論として、朝一でのメールチェックは件名だけにして、重要度は高いが緊急度は低い仕事にまず取り掛かることで、私の場合はうまく回っていますので、それもご紹介したいと思います。

緊急・重要マトリックスの図

いくつかネットを調べてみたところ、

  • 縦軸に重要度(上が重要)
  • 横軸に緊急度(左が緊急)

として縦横に仕事を分類して管理しているものが多かったのですが、個人的な好みでこれを

  • 縦軸に重要度(上が重要)
  • 横軸に緊急度(右が緊急)

という縦横にして考えています。

要素の配置が異なるだけで、それぞれの領域で言いたいことは元々のマトリックスとまったく同じです。

図にすると以下のようになります。

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緊急・重要マトリックスの各要素

マトリックスの各要素を、イメージしやすいように具体的な仕事・タスク内容で例示してみました。

「重要かつ緊急」の領域=自分が実行しないと大きな損失が発生

  • 締め切りのある(迫っている)仕事
  • クレーム処理などのトラブル対応
  • 自分がリーダーのプロジェクト管理

「重要だが緊急ではない」の領域=自分の成長に大事な自己投資・啓発

  • 知識や技術、情報の習得など幅広い勉強
  • 将来に向けた計画
  • 人とのつながり

「重要ではないが緊急」の領域=他の人の仕事を止めないために

  • 自分宛の問い合わせ対応
  • 重要ではない会議への参加
  • スケジュール調整

「重要でも緊急でもない」の領域=本当はやらなくてもよい

  • 誰にも読まれないレポート(日報など含め)の作成

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緊急度が低いものはどうしても後回しになる

このマトリックスに沿って自分の活動を省みると、重要度の高低に関わらず、どうしても緊急度が高いものを実行することに追われているのが分かりました。

もちろん緊急度が高いということは、すぐに対応しなければならない仕事ということなので、

  • 「重要かつ緊急」=自分が実行しないと大きな損失が発生
  • 「重要ではないが緊急」=他の人の仕事を止めないために

この2つが優先されるのは仕方ないのは確かです。

ただし、本当に集中して高い生産性を持ってこれらの業務を行い、余剰時間を生み出すという強い意識を持っていないと、

業務時間中には”「重要だが緊急ではない」=自分の成長にとって大事”な仕事を行うことができない

という事態に陥ってしまいます。

一週間思い立って、出社してから退社するまで、自分がどのような時間の使い方をしているかの活動を細かくノートに取ってみたのですが、見事にこの2つに分類される仕事ばかりをしていたことに気付きました。

振り返ってみると、予め自分が計画していたこと以外にも、

  • 想定を超えるチームメンバー・他部署からの相談事項への対応
  • 上司からの急ぎの依頼への対応
  • 会議への参加依頼(とその会議への参加)

などが計画に割り込んでいたことも分かりました。

緊急度が高い仕事は、とにかく自分の計画に割り込んできますよね。自分の計画をある程度ゆとりがあるものにしたつもりでも、なぜか振り返ると、あったはずのゆとりが無くなってしまっていたことに気付きます。

重要度は高いが緊急度は低い仕事は「向こうからやってこない」

重要度は高いが緊急度が低い仕事には、自己投資と捉えられるものが多くあります。

例えば読書がそうですね(仕事中に読むかどうかは別として)。

タイムマネジメントに関する著作があるHyrum W. Smithがおもしろいことを言っています。彼がシティバンクでのセミナーにて参加者に

「なぜ、読むことが重要だと分かっているにも関わらず本を読まないのですか?」

と尋ねたところ、しばらくの沈黙の後に1人の参加者が

Books don't hop up and say, “Hey, I'm a really great book, why don't you read me?”
「本は「私はとてもよい本なので読みなさい」と自分から言ってはこないからです」

と答えたということです。

重要度も緊急度も高い仕事が向こうからやってくるのに比べて、(読書に限らず)重要度は高いが緊急度は低い仕事は、緊急度が低い故にその仕事からこちらのやるべきリストに割り込んでくることが無い、ということがよく分かるエピソードです。

もちろん、これらを行うことで、結果として将来発生していたかもしれない重要度も緊急度も高い仕事を減らす(予防する)ことができることもありますし、自分のためにも行うことは非常に大切です。

それでは、どのようにすれば向こうからはやってこない”「重要だが緊急ではない」=自分の成長にとって大事”な仕事を行えばいいのかという問題です。

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重要だが緊急ではない仕事を行うには、朝一のメールチェックを詳細にしないこと

集中して高い生産性を持って緊急度の高い業務を行い、余剰時間を生み出すという強い意識を持って仕事を行ったとしても定時で仕事が終わらない場合、重要だが緊急ではない仕事に取り掛かる一番安直な方法は「残業する」です。

身も蓋もない結論ですが、総労働時間を増やす方法としては残業する、もしくは休憩時間を減らすぐらいしかありません。

ただし、もちろんできるだけ残業はしたくありませんし、適切な休憩時間も取りたいです、というか取る必要があります。

そこで私が実行して比較的うまくいっているのが、

出社してすぐにメールチェックを詳細に行わず、まずは重要だが緊急ではない仕事を30分から1時間行う

というものです。夜の残業時間に取り掛かるのではなく、朝に行ってしまおうというわけです。

具体的には、不在時に来ているメールの件名だけ流し読みし、その後は思い切ってメーラーを一度閉じました。

出社してPCを立ち上げてメールチェックする、というのはもはや習慣化しているのですが、メールを開いて見ていくと、どうしてもそれらへの対応を考え始めてしまい、それに引きずられる形でなし崩し的に業務がスタートする、というパターンがほとんどでした。

そして自分が不在の間に来ているメールには、

  • 「重要かつ緊急」=自分が実行しないと大きな損失が発生
  • 「重要ではないが緊急」=他の人の仕事を止めないために

のものが多く、それに対応しているうちにあっという間に時間が過ぎる、、、ということになってしまいます。

一方、メールチェック自体をまったくしないということは、これまた自分が不在の間のトラブルなど重要かつ緊急の事態を把握できないことに繋がりかねないため、現実的には難しく、件名だけ流し読むという方法を取りました。

朝にメーラーを閉じて重要だが緊急ではない仕事(例えば振り返りであったり計画であったり)に時間を割いてみると、これが思ったよりもうまくいきました。

出社してからすぐに相談に来る人もいないし、また緊急であったはずの案件も、気付けば必要な日数内にきちんと処理できているということになっていて、意外にも期日の中でなんとか融通できています。

ちなみに、これをやるにあたっていつもよりちょっと早く出社(通常よりも15-30分程度)しているのですが、これも残業の一種になるのでしょうか。

私としては納得していてまったく無理の無い範囲なのですが、人によって意見が分かれるところかもしれません。

最後に

今のところ、朝の時間をこのように使うことで、重要だが緊急ではない仕事に取り掛かることができていますし、特に残業することなく業務を終えることができています。

また、自分の活動を一週間、細かい単位で書き出して振り返りをしたのは、いろいろな気付きや改善点が見えてよかったです。

以前は一日の活動内容をわりと細かい単位でまとめ、一日の終わりに振り返っていたのですが、最近はそのような習慣が無くなってしまっていました。

だいたい自分の仕事に優先順位はつけられているし、業務管理はできているだろうと考えていたからですが、まだまだ時間の使い方は改善できます。

これを機会に無理の無い範囲で(活動の振り返りが細かすぎたりすると続かないので)一日の振り返りを再度習慣化したいと思います。

読んでくださった方の中で、重要だが緊急ではない仕事やタスクに取り組むにあたり、こうしている、という方法があればぜひ教えていただきたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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ツイッターで見せる顔とビジネスリーダーたちに見せる顔を使い分けるトランプ大統領の二面性

世の中

トランプ大統領は、ツイッターでの発言からや、テレビや新聞などのマスコミから断片的に目にする情報からはまったく想像できない姿を、ビジネス界のリーダーたちとの会合で見せているという記事がありました。

率直に言って意外でした。

私はトランプ大統領の著作を読んだことがなく、また今までの経歴も全然知らないのですが、ツイッターの発言を見ていても、マスコミからの情報をとらえても、独善的とまで言ってしまってもいい人物ではないかと思っていたからです。

確かに不動産王として成功する(そして4回の自己破産という大きな失敗を乗り越える)ためには卓越したビジネスセンスや交渉術が必要なはずですが、それでも選挙期間中の生の発言を聞くと、どうしてもそう考えてしまいます。

ところが、ビジネスリーダーたちとの会合では、

  • 参加者を非常に丁寧にもてなす(誕生日なども記憶している)
  • 参加者全員の意見をきちんと聞く(取締役会のようなスタイル)
  • 問題が個別企業ではなく古い規制に起因するとし、各企業にヒアリングする

という姿勢を取っているということです。

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トランプ政権が振りまく話題

米国第一主義(アメリカファースト)を掲げて1月20日に発足したトランプ政権について、まだ2ヶ月も経っていませんが、本当にいろいろなことが話題になっています。

  • 政権と中国やロシアとの関係
  • メキシコとの国境に建設する壁
  • 発足直後にもかかわらず政権内外の人事・解任騒動
  • オバマケアへの代替案
  • 時に身内の共和党からも批判される言動
  • そしてシュワルツェネッガー氏への攻撃まで。

その中でも最近(2017年3月14日)大きく話題になっているのは、

  • 入国禁止に関する大統領令(とその修正版)
  • 大統領選挙期間中に、バラク・オバマ前大統領に盗聴されたというツイート

という2点だと思います。

2点目についてはさらに、

「これはウォーターゲート事件に匹敵するような大スキャンダルだ」

というツイートもしており、ニューズウィークの記事(「オバマが盗聴」というトランプのオルタナ・ファクトに振り回されるアメリカ政治) に詳しいです。

アメリカ大統領自身がオルタナ・ファクト(もしくはフェイクニュース、嘘ニュース)を作り出すというすごい状況になっていますが、これはここではひとまず置いておきます。

これらから考えられるトランプ大統領像

ツイッターでは、ショッキングな内容を強い言葉で断定的に話していますし(バラク・オバマ前大統領に盗聴されていた、などはその最たる例といえます)、多くのメディアに攻撃的な姿勢を取っていることもあり、マスコミとの関係も友好的とはとても言えない状態です。

メディアもトランプ大統領のことを独善的で、言動に予想がつかない、破天荒な人物という描き方をしている面もありますし、そういう一面ももちろんあります。

しかしそこから想像すると、ビジネスリーダーとの会合においても、一方的に強いメッセージを命令口調で発するだけの人物が思い浮かびます。

ところが、事実はまったく異なるということがトランプ大統領と会合を持ったビジネスリーダーや参加者のコメントから浮かび上がってきました。英語の記事ですがこちらになります。

ビジネス界のリーダーたちとの会合

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トランプ大統領は1月20日に就任後、自動車、航空、小売、医療保険、製薬といった各ビジネス界のリーダーたちと、少なくとも9回の会合の場を持っています。

製薬業界との会合

1月31日には製薬業界のトップ6企業(ジョンソン・エンド・ジョンソン、ノバルティス、メルク、イーライリリー、セルジーン、アムジェン)のCEO達と会合があったということですが、その場に参加したCEO達はそれに先立つトランプ氏のツイッターでの発言

「製薬会社は医薬品の価格をあまりにも高くしすぎている」

もあり、戦々恐々としていたはずです。

ところが、彼らを迎えたトランプ大統領は驚くほど愛想よく対応し、参加者は

“There is no question that it was better than it could have been or we thought it could be"
「想像を超えた、これ以上は望めないようなよい会合だった」

というようにコメントしています。

トランプ大統領は製薬業界への攻撃を繰り返すことはせず、コスト増をもたらしている時代遅れの規制(オバマ前政権もしくはそれ以前に制定された)に焦点を当てて話をしたということです。

これは理知的で建設的な姿勢と言えますし、オバマ前政権もしくはそれ以前に制定された規制の変更・撤廃を、トランプ政権が重要な優先事項の1つととらえていることを改めて示しています。

会合の場でのトランプ大統領が見せる一面

妥協せず要求の厳しいツイッターでの発言と異なり、トランプ大統領はビジネスリーダーたちと個人的に会う際には非常に魅力的な一面を見せています。

個別の企業を攻撃するのではなく、時代遅れの規制に焦点を当てて何が新規雇用創出の妨げになっているかを参加者全員から聞き取る姿勢を示しており、また自身も実業家であるということもあり、会合を取締役会のように運営しているということです。

会合に参加していたホワイトハウスの高官は

"Trump’s approach to these meetings is “one of listening and not lecturing”
「トランプ大統領のアプローチは、各ビジネスリーダーに”教える”のではなく”教えてもらう”という姿勢である」

と述べています。

このプライベートな一面により、ビジネスリーダーたちはトランプ大統領のツイッター上の発言によって株価が下がったとしても、この共和党選出の大統領の下でのビジネスに確信を得ることができています。

メディア・国民に見せる顔からの豹変

参加者は、

"He said one thing for the cameras and the door shuts and then it's like kumbaya"
「トランプ大統領はカメラに(強い)一言を言い放つが、扉が閉まると非常に暖かい雰囲気に変わる

というように述べており、メディア、すなわち国民に向けて見せる顔と、ビジネスリーダーたちに見せる顔がまったく異なっていることがここからも分かります。

トランプ大統領は物静かで上品な”貴族”だった

トランプ大統領がどういう人物で、どういう経緯をもって今のようなスタイルになっていったか、そして今のスタイルは本心なのかどうか、興味が沸いて調べてみたところ、とても興味深い記事(貴族だったトランプがアジテーターに転向した理由)を見つけました。

要約すると、

  • トランプ氏はもともと物静かな”貴族”だった
  • 彼を有名にしたテレビシリーズ「アプレンティス」での決めゼリフ「You're fired(君はクビだ)!」も、参加者に冷徹に上品に伝えていた
  • 2000年の大統領予備選に出馬した際(共和党でも民主党でもない、改革党から)、移民排斥を訴えていたブキャナン氏が改革党の中で勝ったのを見た
  • プロレス団体WWEの会長マクマホン氏との関わり(およびブキャナン氏の勝利)から、白人労働者層(サイレント・マジョリティ)の鬱屈したパワーに触れ、この層を刺激すれば勝てると踏んだ

ということです。

この記事からは、トランプ大統領の現在の過激で独善的なスタイルは、サイレント・マジョリティをターゲットにした「コントロールされた」形であると見ることもできます。

事実、ビジネスリーダーたちとの会合では、メディアやツイッターを通して国民に対して発している独善的なスタイルは鳴りを潜めています。

最後に

どこまでが計算されたスタイルで、どこからが”本音”なのか、トランプ大統領の言動はとても分かりにくいです(もちろんそれを悟られないことが外交交渉上有利であることは言うまでもないですが)。

ツイッターの発言は「さすがに言いすぎだろう」というものも多くありますし、メディアへの批判も激しすぎると感じるときもあります。

一方この記事で分かったように、ビジネスリーダーとの会合ではまったく違う側面を見せていますし、今回は触れなかったですが各国首脳との会談でも同じように丁寧な姿勢を見せているのかもしれません。安倍首相も歓待されていましたが、他の首脳も同様の扱いを受けていたのでしょうか。

元記事はアメリカでもあまりシェアされていないようでしたが、トランプ大統領の意外な一面や姿勢を知るためにも、幅広く情報を追うことの大切さを感じました。

トランプ大統領の就任演説を聴いて感じた強烈なアメリカ第一主義・アメリカファーストに関する記事も書いておりますので、よろしければお読みください。

www.yellowpadblog.com

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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